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グッド・ウィル・カントリー  作者: 104


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ゴミと選挙の関係

 Mは何か気になることがあると図書館へ行き調べる癖があった。「ゴミだよゴミ」と言われてからその言葉を頭の中で何回も反復しながら館内で新聞検索ができる場所へと直行した。

『ゴミだよゴミ…だからゴ…ミ…』(図書館なので口には出さず頭の中で唱えながら)、ゴミというワードを入れてみた。


 すると…何故だか気になる記事を発見した。記事にはこう書いてあったのだ。


                × × ×


【演説の後に残されたゴミの行方】

大統領選の投票日前日、各地で最終演説が行われた。立候補者は清き一票をと観衆に媚びを売る。そしてその場を盛り上げようと派手に紙吹雪をまき散らす演出などで観衆を沸かせていた。演説を終え観衆が立ち去ると、この紙吹雪ゴミはどうなってしまうんだろう。何気なくその場に残り観察していた。すると、誰からともなくゴミを拾う人達が集まってきたのだ。数分後にはキレイになっていた。陣営が率先してゴミを拾っていたのか、ボランティアが自然と行動したのかはわからない。しかし、このすがすがしい人達がサポートする立候補者Aが大統領として選ばれたことはこの国にとって少なからず有益である。


                × × ×


 ゴミを検索して出来きた記事に登場する大統領Aのことも図書館にある文献を紐解き、調べてみた。


 大統領Aは○×△□年4月16日♡◇★村に生まれる。

ごく普通の家庭で育ち、並の教育を受け、平凡なサラリーマンとなった。そして、同じ会社に勤めていた女性と結婚。二人の子供を授かった。○×◇※年、第18代大統領に就任。翌年、△町を視察中に暗殺される。

 

 誰もが知っている大統領Aのことは書いてあったが、どのようにして大統領になったのか?という記述は見つからなかった。Aの功績を讃えたもの、Aの趣味と実益を兼ねたもの、Aの自伝にすら彼がどのようにして大統領の地位を築いたのかということは何も記されていなかった。

ただ、気になる写真はあった。

 それはAが写っている写真には、Aが手にゴミを持っている写真、ポケットにゴミが入っている写真、もっと究極なのはゴミを拾っている写真などがたくさんあった。

「ゴミか・・・」

 Mは辺りを見渡しゴミを探してみた。・・・見当たらない。しばらく、本を開いたまま、ぼけーっと図書館の床を眺めていた。

 すると、とても静かに、ゆっくりと本棚を眺めるわけでもなく歩く男がいた。その後ろには掃除のおばさん。この二人はセットのように動いていた。しばらくすると、Mの視界に二人の姿。何をしているのだろうと3回目に彼らを見た時、それまで何となく眺めていたのとは違い、凝視した。男はポケットからゴミを出し捨てる、そのゴミを掃除のおばさんが拾っていたのだ。

 閉館の時間になってしまった。Mは図書館を後にすることにした。不思議な光景とゴミに関係した写真の意味はわからないままだった。

 

 ゴミが気になったので下を向き、家路についた。それまで気にせずに生活していたがこの街にはゴミが一個も落ちてないのか、全然見つけることができなかった。

「どうかSに、Sに清き一票をお願い致します。」

 Mの横を選挙カーが通った。今Mの住む街の市長選が行われているのだ。その車には、さっき見た掃除のおばさんが乗っていた。

 政治家とゴミ拾い。

 これが何を意味するのか、Mにはまったく見当がつかなかった。


 翌朝、家の新聞に目を通すと、市長選に立候補していたSが当選していた。この当選とゴミは関係あるのだろうか。Mの疑問は解消されないままだった。

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