第5話 ゲームには存在しない少女と、見知らぬ世界の違和感
ルナの手を取ったまま歩き出してから、どれほどの時間が経ったのか、私には正確には分からなかった。
この世界へ転移してから、まだ半日も経っていない。それなのに、私の一日はあまりにも濃密だった。地球で最後の朝を迎え、異世界へ転移し、森の中で目を覚まし、モンスターを倒し、そしてゲームには存在しなかった少女と出会った。
これだけの出来事が一日で起きれば、普通ならば頭が混乱していてもおかしくない。
けれど、不思議なことに、私の頭は妙に冷静だった。
たぶん、それは私がこの世界を知っていると思っていたからだ。
『ウォーズ』というゲームを何年もプレイしてきた経験がある。
魔族領の地理も、モンスターの種類も、各国の位置も、主要都市の名前も、ある程度なら把握している。ゲーム内で公開されていた設定資料やイベントシナリオも、私はかなり読み込んでいた。
だから、異世界に来たとしても、最低限の知識はある。
そう思っていた。
しかし。
実際にこの世界を歩いてみて、その認識は少しずつ崩れ始めていた。
「……ねえ、ルナ」
「何?」
「この森って、どこ?」
「……知らない」
「……」
私は思わず足を止めた。
隣を歩いていたルナも、私につられるように足を止める。
「知らない?」
「うん」
「あなた、さっきこの森に詳しいって言わなかった?」
「……」
ルナが目を逸らした。
私はその反応を見て、思わず眉を寄せる。
「ルナ?」
「……少しだけ」
「少しだけ?」
「……逃げるために通っただけだから」
「なるほど」
私は納得した。
確かに、追われている人間が森の地理を完全に把握しているとは限らない。むしろ、必死で逃げていたのなら、自分がどこを走っているのかすら分からなくなっていた可能性もある。
「じゃあ、街は?」
「……」
「村でもいいけど」
「……」
「人が住んでいる場所」
「……」
「ルナ?」
「……分からない」
私は。
黙った。
そして。
空を見上げた。
木々の隙間から見える空は、地球と変わらない青色をしている。
太陽もある。
雲もある。
風もある。
それなのに。
私たちがいる場所は。
どうやら。
とんでもなく辺鄙な場所らしい。
「……」
私は。
ゆっくりと。
ステータス画面を開いた。
地図。
私はその項目を選択する。
ゲーム時代ならば、現在地が表示されるはずだった。
しかし。
「……」
地図は。
真っ白だった。
「……え?」
私は。
画面を操作する。
縮小。
拡大。
検索。
現在地。
どれを選んでも。
何も表示されない。
「……嘘」
私は。
もう一度。
地図を開いた。
やはり。
真っ白。
「……どういうこと?」
「ヒヨリ?」
ルナが。
不思議そうに。
私を見ている。
「何してるの?」
「地図を見てる」
「地図?」
「うん」
「……何もないけど?」
「……」
私は。
固まった。
「見えないの?」
「うん」
私は。
画面を見る。
ルナを見る。
そして。
もう一度。
画面を見る。
「……」
嫌な予感がした。
私は。
解析鑑定∞を発動した。
地図。
この森。
周囲の空間。
大地。
空気。
魔力。
世界そのもの。
情報が。
一気に。
流れ込んでくる。
「――――っ」
私は。
思わず。
頭を押さえた。
「ヒヨリ!」
ルナが。
心配そうに。
私の腕を掴む。
「大丈夫?」
「……大丈夫」
私は。
ゆっくり。
顔を上げた。
「……ただ」
「ただ?」
「この世界」
私は。
周囲を見渡した。
「私が知っている『ウォーズ』とは、少し違うかもしれない」
「……?」
ルナは。
意味が分からないという顔をしている。
当然だ。
私は。
ゲームの話をしている。
この世界の住人であるルナに。
それを説明しても。
理解できるはずがない。
「……なんでもない」
私は。
そう言って。
歩き出した。
しかし。
心の中では。
先ほどから。
ずっと。
同じ疑問が。
ぐるぐると回っていた。
おかしい。
何かが。
おかしい。
ゲームの地図が。
使えない。
これは。
まだ。
理解できる。
ゲームの世界が。
現実になったのだから。
ゲームのシステムが。
すべて同じとは限らない。
けれど。
問題は。
それだけではなかった。
ルナ。
この少女。
彼女が。
ゲームに存在しない。
私は。
ウォーズのNPCを。
ほぼすべて知っている。
少なくとも。
主要人物は。
全員。
名前を覚えている。
魔王。
魔王軍幹部。
人間側の王。
勇者。
聖女。
冒険者ギルドの受付嬢。
各国の重要人物。
イベントキャラクター。
隠しキャラクター。
私は。
何年もプレイしてきた。
だから。
ルナという少女が。
存在するなら。
私は。
知っているはずなのだ。
しかし。
知らない。
見たことがない。
聞いたこともない。
そして。
解析鑑定∞を使っても。
彼女の情報は。
ほとんど。
読み取れない。
普通ではない。
明らかに。
普通ではない。
「……」
私は。
歩きながら。
ルナを見た。
黒髪。
小さな角。
魔族。
けれど。
魔族と表示されているわけでもない。
種族欄には。
何か。
不完全な文字列が。
表示されていた。
まるで。
システムそのものが。
彼女を認識できていない。
いや。
違う。
認識できないのではない。
認識を。
拒否している。
そんな感じだった。
「……ルナ」
「何?」
「一つ聞いていい?」
「うん」
「あなたって」
私は。
言葉を選んだ。
「普通の魔族?」
「……」
ルナの足が。
止まった。
私は。
その反応を見て。
やはり。
と思った。
「……どうして?」
「何となく」
「……」
「私の鑑定スキルで、あなたのことがよく分からないから」
「鑑定?」
「そう」
「……」
ルナは。
しばらく。
黙った。
やがて。
「……普通じゃない」
そう言った。
「やっぱり?」
「うん」
「何が?」
「……」
ルナは。
答えなかった。
その顔には。
明らかな恐怖が浮かんでいた。
私は。
それ以上。
聞かなかった。
無理に聞けば。
この子は。
何も話さなくなる。
そんな気がした。
だから。
「分かった」
私は。
歩き出した。
「話したくなったら、教えて」
「……」
「それまでは聞かない」
「……どうして?」
「ん?」
「どうして、そんなに簡単に信じるの?」
私は。
少し考えた。
そして。
「別に」
答えた。
「信じてるわけじゃない」
「……」
「まだ、何も知らないもの」
「……」
「あなたが何者なのかも」
「……」
「魔王に追われている理由も」
「……」
「この森にいた理由も」
「……」
「何も知らない」
私は。
ルナを見る。
「だから、今は保留」
「保留?」
「そう」
私は。
少し笑った。
「私はあなたを助けた」
「……」
「あなたは私を街まで案内する」
「……」
「それだけ」
私は。
肩をすくめた。
「それ以上でも、それ以下でもないわ」
ルナは。
しばらく。
私を見ていた。
そして。
ほんの少しだけ。
笑った。
「……変なの」
「よく言われる」
「誰に?」
「……」
私は。
言葉に詰まった。
地球にいた頃のことを。
思い出した。
友人。
家族。
会社の同僚。
そして。
私が。
もう。
会えなくなるかもしれない人たち。
「……昔の知り合い」
私は。
そう答えた。
ルナは。
それ以上。
聞かなかった。
森を歩き続ける。
時間が経つにつれて。
空の色が。
少しずつ変わっていった。
太陽が。
西へ傾いている。
「……そろそろ」
私は。
立ち止まった。
「今日は、ここまでにしよう」
「え?」
「日が暮れる」
「でも」
「夜の森を歩くのは危ないでしょう?」
「……」
ルナが。
周囲を見た。
確かに。
薄暗くなり始めている。
「……ここで?」
「うん」
私は。
頷いた。
「今日は野営する」
「野営?」
「そう」
「……何もないよ?」
「あるわよ」
私は。
空間支配を発動した。
次の瞬間。
目の前の空間が。
歪んだ。
そして。
そこから。
テントが。
出てきた。
「……」
ルナが。
固まった。
私は。
気にせず。
テントを。
地面に設置する。
「……」
ルナは。
無言だった。
「どうしたの?」
「……何それ?」
「テント」
「……」
「寝る場所」
「……」
ルナは。
テントを。
じっと見た。
私は。
その反応を見て。
少し。
嫌な予感がした。
「……テント」
「うん」
「どこから出したの?」
「収納」
「……」
「私、収納魔法が使えるの」
「……」
「便利でしょう?」
「……」
ルナの顔が。
引きつっている。
「……ヒヨリ」
「何?」
「あなた」
「うん」
「本当に」
「……」
「何者?」
「……」
私は。
少し。
考えた。
「……旅人?」
「……」
「遠い国から来た」
「……」
「魔族」
「……」
「忍者」
「……」
ルナが。
完全に。
理解を諦めた顔をした。
「……もういい」
「え?」
「あなたのこと、考えるの疲れる」
「ひどい」
私は。
思わず笑った。
そして。
テントを設置し終えると。
次に。
焚き火を作った。
薪を出す。
火を起こす。
そして。
鍋を取り出した。
「……」
ルナが。
じっと見ている。
「何?」
「……」
「食べたい?」
「……」
ルナが。
小さく。
頷いた。
その反応を見て。
私は。
少しだけ。
嬉しくなった。
「じゃあ」
私は。
収納から。
食材を取り出した。
米。
肉。
野菜。
そして。
調味料。
「……」
ルナが。
目を丸くしている。
「何を作るの?」
「カレー」
「……?」
「食べたことない?」
「……ない」
「じゃあ、食べてみて」
私は。
鍋を火にかけた。
野菜を切る。
肉を切る。
鍋に入れる。
炒める。
水を加える。
そして。
最後に。
カレールーを。
入れる。
その瞬間。
森の中に。
香辛料の香りが。
広がった。
「……」
ルナが。
無言になった。
「……いい匂い」
「でしょう?」
「……」
ルナの目が。
鍋から。
離れない。
私は。
思わず笑った。
「もう少し待って」
「……うん」
それから。
しばらくして。
カレーが完成した。
私は。
皿に盛り付ける。
そして。
ルナの前に置いた。
「どうぞ」
「……」
ルナは。
恐る恐る。
スプーンを持った。
一口。
口に入れる。
その瞬間。
「……」
ルナの目が。
大きく開いた。
「……」
「どう?」
「……」
ルナが。
もう一口。
食べる。
そして。
また一口。
「……」
「ルナ?」
「……おいしい」
その声は。
とても小さかった。
けれど。
私は。
はっきり聞いた。
「よかった」
私は。
笑った。
そして。
自分も。
カレーを食べる。
普通の。
日本のカレー。
それだけなのに。
不思議と。
いつもより。
美味しく感じた。
地球を離れて。
まだ。
一日も経っていない。
なのに。
私は。
異世界の森で。
魔族の少女と。
二人で。
カレーを食べている。
「……」
人生。
何が起きるか。
本当に。
分からない。
食事が終わる頃には。
辺りは。
すっかり。
暗くなっていた。
森の中には。
昼間とは。
まったく違う音が。
響いている。
遠くで。
獣の鳴き声。
木々が。
風で揺れる音。
どこかで。
何かが。
枝を踏む音。
私は。
索敵スキルを。
発動した。
周囲。
異常なし。
少し離れた場所に。
モンスター。
しかし。
こちらへ。
近づいてくる様子はない。
私は。
少し。
安心した。
そして。
テントの前で。
焚き火を見つめていた。
ルナは。
隣に座っている。
「……ヒヨリ」
「何?」
「さっきの」
「カレー?」
「うん」
「どうだった?」
「……また食べたい」
「いいわよ」
「……本当?」
「もちろん」
私は。
笑った。
「街に着いたら、もっと作ってあげる」
「……」
ルナが。
私を見る。
「ヒヨリ」
「何?」
「街に着いたら」
「うん」
「私」
「……」
「どうなるの?」
その質問に。
私は。
答えられなかった。
ルナは。
魔王に追われている。
魔族領。
強い者が。
弱い者を支配する。
そんな場所で。
魔王に追われている少女。
普通に考えれば。
街へ行けば。
安全になるとは限らない。
むしろ。
危険になる可能性もある。
「……」
私は。
考えた。
そして。
「そのとき考えよう」
そう答えた。
「……」
「今は」
私は。
焚き火を見つめた。
「ここにいる」
「……」
「明日のことは」
「……」
「明日になってから考えればいい」
ルナは。
しばらく。
黙っていた。
やがて。
「……うん」
そう言った。
私は。
空を見上げた。
木々の隙間から。
星が見える。
地球で見るよりも。
ずっと。
多い。
「……綺麗」
「……」
ルナが。
同じように。
空を見上げる。
「……うん」
私たちは。
しばらく。
黙っていた。
そのとき。
私は。
ふと。
違和感を覚えた。
「……?」
誰かが。
こちらを見ている。
私は。
ゆっくり。
視線を動かした。
索敵。
反応。
なし。
「……」
私は。
解析鑑定。
反応。
なし。
それなのに。
確かに。
視線を感じる。
私は。
立ち上がった。
「ヒヨリ?」
「静かに」
私は。
周囲を見渡した。
森。
暗闇。
木々。
何もない。
しかし。
何かが。
いる。
私は。
隠密MAXを。
解除した。
そして。
空間支配を。
広げる。
周囲の空間。
すべて。
私の支配下へ。
その瞬間。
「……見つけた」
私は。
笑った。
森の奥。
空間の一部に。
僅かな歪み。
誰かが。
隠れている。
「そこ」
私は。
指を向けた。
「誰?」
返事は。
ない。
私は。
一歩。
前へ出た。
「出てきて」
静寂。
そして。
次の瞬間。
森の奥から。
声がした。
「……なるほど」
低い声。
「気付いたか」
私は。
妖刀村正に。
手を添えた。
「誰?」
「……」
「ルナを追ってきたの?」
「違う」
「じゃあ、何?」
しばらく。
沈黙。
そして。
木々の間から。
一人の男が。
姿を現した。
黒い外套。
長い銀髪。
そして。
赤い瞳。
魔族。
間違いない。
しかし。
私は。
その男を。
知らない。
解析鑑定∞。
発動。
「……」
私は。
目を見開いた。
また。
読めない。
いや。
違う。
今度は。
ルナよりも。
さらに。
情報が。
欠落している。
名前。
不明。
種族。
不明。
レベル。
不明。
スキル。
不明。
ただ。
一つだけ。
表示された。
称号。
それだけ。
その文字を見た瞬間。
私は。
息を呑んだ。
『世界の観測者』
「……」
男が。
私を。
見た。
「秋月燈由」
「……」
「いや」
男が。
薄く。
笑った。
「ヒヨリ、と呼ぶべきか」
私は。
刀の柄を。
握った。
「……あなた」
男は。
笑う。
「なぜ」
私は。
その男を。
睨んだ。
「私の名前を知っているの?」
男は。
答えなかった。
ただ。
ルナを。
見た。
そして。
「……やはり」
そう。
呟いた。
「天照大神の加護を持つ者が」
私は。
完全に。
警戒した。
「……」
この男は。
何者?
どうして。
私の加護を知っている?
そして。
なぜ。
天照大神の名前を。
知っている?
男は。
静かに。
私を見つめた。
「ヒヨリ」
「……何?」
「お前は」
男の。
赤い瞳が。
怪しく輝いた。
「自分が、なぜこの世界へ呼ばれたのか」
私は。
息を止めた。
「本当に」
「……」
「何も知らないのか?」
その瞬間。
私は。
確信した。
この世界には。
私が知らない秘密がある。
ユーノーは。
私に。
何かを隠している。
そして。
私の異世界転移は。
単なる。
召喚事故ではないのかもしれない。
男が。
ゆっくり。
口を開いた。
「お前がここへ来たことで」
「……」
「世界の均衡が」
崩れ始めた。
その言葉を聞いた瞬間。
私の隣にいたルナが。
小さく。
息を呑んだ。
「……あなた」
ルナが。
震える声で。
男を見た。
「誰?」
男は。
ルナを見る。
そして。
ほんの少し。
目を細めた。
「……なるほど」
男の視線が。
私とルナを。
交互に移動する。
「お前たちは」
そして。
男は。
笑った。
「最悪の組み合わせだな」
「……」
私は。
妖刀村正を。
完全に抜いた。
「それ以上」
私は。
男を。
睨んだ。
「ルナに近づかないで」
男が。
目を見開いた。
そして。
初めて。
興味深そうに。
私を見た。
「……そうか」
男は。
小さく。
笑った。
「もう始まっているのか」
「何が?」
私は。
問い返した。
しかし。
男は。
答えなかった。
ただ。
次の瞬間。
その姿が。
消えた。
「……え?」
私は。
周囲を見渡した。
索敵。
反応。
なし。
解析鑑定。
反応。
なし。
私は。
しばらく。
動けなかった。
そして。
「……」
隣を見る。
ルナも。
呆然としていた。
「……何だったの?」
私は。
答えられなかった。
ただ。
一つだけ。
分かったことがある。
私の。
異世界生活は。
どうやら。
思っていたより。
ずっと。
面倒なことになりそうだ。
私は。
ため息を吐いた。
「……」
そして。
心の中で。
ユーノーに。
文句を言った。
駄女神。
やっぱり。
あなた。
何か。
隠しているでしょう。
けれど。
当然。
返事は。
なかった。
ただ。
森の遥か彼方。
誰にも見えない場所で。
一人の女神が。
青ざめた顔で。
世界を映す水晶を。
見つめていた。
「……え?」
ユーノーは。
震える声で。
呟いた。
「どうして……」
水晶に映し出されているのは。
森の中にいる。
ヒヨリと。
ルナ。
そして。
先ほど現れた。
謎の男。
「……観測者が」
ユーノーの顔から。
血の気が引いていく。
「どうして、あの子の前に……?」
そのとき。
水晶の中から。
声が聞こえた。
『ユーノー』
「――――っ!」
ユーノーが。
振り返る。
誰もいない。
それなのに。
声だけが。
聞こえる。
『お前は』
「……」
『また』
低い声。
『余計なことをしたな』
「……」
ユーノーは。
黙った。
『あの娘を』
「……」
『こちらへ呼んだ理由を』
「……」
『忘れたわけではあるまい?』
ユーノーは。
震えながら。
水晶を見つめた。
「……私は」
『……』
「私はただ」
ユーノーは。
小さく。
呟いた。
「間違えて召喚しただけです」
『……』
「本当に」
『……』
「本当に、ただの事故だったんです」
しかし。
その言葉を。
聞いている者は。
もう。
誰もいなかった。
そして。
森の中。
私は。
何も知らないまま。
ルナと二人。
焚き火の前に座っていた。
異世界へ来て。
まだ。
一日目。
それなのに。
私は。
すでに。
この世界の。
巨大な秘密の。
中心へ。
足を踏み入れ始めていた。




