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宿坊あやかし奇憚  作者: あやと
84/106

宿坊あやかし奇憚 ( 獏 編 6)

――翌朝――



「・・・。」


またしても半蔵は悪夢を見る事なく目覚めた


「ね?僕って便利でしょ?飼おうよ?」


慣れた様子で獏は枕元から話しかける


「便利ったって・・・」


半蔵はガバリと起き上がると獏の問いには答えず


さっさと朝の支度にかかる




―― 悪夢を見ない為にコイツを飼う事が・・俺にとって本当に良い事なのか?




夢というものは心理の投影ともいう


死ぬ事の出来ない半蔵は輪廻という贖罪はない


それなら・・悪夢に苛まれるのが贖罪ではないのか?





―― しかし獏と居れば・・・永遠に夢を見なくて済む・・・


   未来を自由にしてやれるって事か・・



恐らく未来の輪廻の繰り返しは自分のせいだ


少なくとも半蔵はそう思い始めていた


未来の魂に自分という不死の存在が関わっているから


いつまで経っても未来はこの世での役目を終了出来ないで居る


未来は・・・それで良いのだろうか?










『ただいま――♪』


半蔵が考えに耽っていると突然に玄関から声がする


『半蔵。お土産買ってきたよ~♪』


玄関に行くと笑顔でサンドイッチの袋を掲げる未来



―― 家出でただいまって・・・しかも・・お土産付きって・・



『朝御飯まだでしょ?2人で食べよう?』


半蔵の心の突っ込みも知らず、未来はさっさと上がる


『うちってオレンジジュースあったっけ?』


オレンジが良いんだけど・・


そう言いながら廊下を行く未来を半蔵は後ろから抱き締めた



『どうしたの?何かあった?』


驚く未来




「いや。未来・・・おかえり」


『うん』




悪夢を見ても良い・・


何度繰り返しても、未来の魂を縛る事になっても


もう・・・手放せない。



獏など要らない








お疲れ様です。

短いけど投稿します

思わぬ所で半蔵が今までを振り返ったり

未来との関係を考える機会になったと思います。

多分・・


5000アクセス超えありがとうございます!!

励みにがんばります!

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