宿坊あやかし奇憚 ( 獏 編1)
朝、未来を起こしに行くと蛻の殻だった
ベッドに紙切れが1枚・・・
半蔵へ
ちょっと家出します ミ(o・ω・)oイッテキマス♪
心配しないでね♪
未来より
「はぁ?! 家出? 行って来ますて・・おい;
しかし・・・・・何故?」
清姫の件でお預けは喰らったもののここ数日、未来との関係は悪くは無い
それが突然、家出・・・?
半蔵の頭の中は心当たりの無い未来の家出に???が一杯となった
『ぃやっ・・・やだ!!やめて!!』
数日前から未来は毎晩イヤな夢を見て夜中に飛び起きていた
と言っても目が覚めると内容は覚えてないのだが・・・
意識が戻る寸前、部屋の中をササッササッと歩き回る
何者かの気配だけは感じられた
『う~ん・・何か居るのは判るんだけど・・・
私のイヤな夢と何か関係あるのかなぁ?
って覚えてないけど。
覚えてないってのが気持ち悪いし・・
此処に居たら判らない気がするし・・・
そうだ!!』
未来は何やら書くと数日分の着替えをバッグに詰め部屋を出た
考えあぐねた半蔵は未来の携帯にかけてみる
『御掛けになった電話番号は現在、電波の届かない地域・・・』
やはり繋がらないか・・・家出していて携帯に出るのも変な話だ。
「あ・・もしもし。美弥ちゃん? ウチのお嬢・・伺ってませんか?」
「え?来てませんけど・・・何かあったんですか?」
「いいえ。それなら良いんです。 失礼します」
美弥ちゃんの所に居ないとなると・・・さて何所を探せば良いか・・
探すなと書いてあっても探さない半蔵ではない。
半蔵はニヤリと笑うと半紙を人型に切り、真ん中に未来と書き
フーッと息をかける
ヒラヒラと舞った人型は床に落ちるまでに未来の居場所を映し出す筈だ。
ところが・・・
人型はヒラヒラ舞うと途中で凍てつき雪の様にハラハラと床に散る
―― 馬鹿な・・・妨害されている?
未来。何所に行ったんだ・・
半蔵は眉を顰めると溜め息をついた
『沙羅。ごめんね?我侭言って』
「いいですよ。未来の願いなら何でも聞きたいですしね」
―― 何でそんな事をサラリと言えるんだろう・・・
美弥の所でも良いのだが・・絶対見つかると思った未来は
死神にメールし、1人になれる場所へと連れて行ってとお願いした。
「食事はどうします?」
『・・・う~ん・・考えてなかった;』
「未来は料理を作れるんですか?」
『失礼な; 御飯くらい作れるよ!』
「これは失礼。でも考え事をしたいなら・・・手間はかけたくないですよね?」
『う~ん・・・』
「では。あそこにしましょう」
死神が指差したのは高級そうなホテルだった
『沙羅・・・考えてなかったの?』
「いいえ。料理をするかしないかで2択だったんですが・・』
『ホテルと・・あとは何所?』
「私のマンションです」
『え?!生身で行けるの??』
「いいえ。この世にあるマンションです」
―― 死神の身元保証人って・・・誰?
今度は未来の頭の中が???で一杯となった




