宿坊あやかし奇憚 (清姫編 6)
「誤解を解いてきたわよ」
清姫は半蔵の部屋に顔だけ出すと言った
「あぁ。ありがとう」
「あ?! 元は清姫のせいなんだから当たり前だろ!
どんだけ嫁に甘いんだ?」
優しげに礼を言う坂田に半蔵は講義の声を上げた
「惚れた弱みよね?」
清姫は気にせずふふっと笑うと
「さぁて・・・帰ろっか?」
もう用は済んだとばかりに坂田を促す
「なんだ。泊まらないのか?」
「邪魔しちゃ悪いし」
―― だったら元から来るなよ・・・
「そうだ。あの娘・・・結構大変な子かもよ?
今までの様に・・上手く行くかしら?」
清姫は妖艶な笑みで言うと じゃぁね・・と手を振り出て行った
後を追うように坂田が続き出て行くと宿坊は静けさを取り戻す
「お嬢。ちょっと良いですか?」
未来の部屋の前に来ると半蔵は躊躇いながらも声をかけた
返事は無いが・・・そっと部屋へと入る半蔵
見れば未来はベッドで膝を抱え座っていた
「ごめんな・・・変な事になって・・」
半蔵は未来の隣に座り頭を撫で優しげに言うと
『・・・うん』
顔を上げずに答える未来
『ねぇ半蔵・・・嫉妬って何?』
「え?!何って・・・自分の好きな人の愛情が
自分以外の人に向けられるのを憎む事か・・」
『ふ~ん~。じゃぁ私のは違うか・・憎んでないし』
「いや。それだけじゃないが・・・」
『ん?』
「いや。・・・・・吃驚・・・したか?」
『うん』
「キスしたの・・・イヤだったか?」
『・・・・うん。』
「え?!」
驚き撫でる手が止まる半蔵
『だってあの人とキスした後なのは変わらないでしょ?』
未来は膝に顎を乗せ半蔵をチラリと睨む
「俺からした訳じゃないが・・」
『ふぅ~ん~・・・あ~そう。』
「いや。ホントに」
『じゃぁ良いよ。お相子だし・・・』
「え?!何が?」
『何でもない・・』
クスクスと笑う未来がいつになく大人びて綺麗に見える
「もう一度・・・していいか?」
半蔵は未来の頬に手を添え聞いた
『 や――だぁ よ――だっっっ!!!』
未来は、あっかんべーとすると 寝るから出てって!と布団に潜り込む
―― 名前も呼んでくれない半蔵なんてヤダ・・
好きとも言われて無いし!
半蔵の馬鹿!!
「はぁ?! おい!お前。寝てないだろ!?・・・おい!!」
真夜中の宿坊に半蔵の声が虚しく響いたのだった・・・
お疲れ様です。
今回ドタバタ感はありましたが
未来が大人になってきた・・・と思います
そう思いたい。うん。
自己紹介風な清姫の物語は半蔵と絡めて
外伝を書けたら良いと思ってるので
中途半端感は拭えませんが・・スミマセン
前に死神とキスさせたらブクマ減ったんですが
今回、増えました!ありがとうございます!!
励みに最終話まで頑張ります!




