宿坊あやかし奇憚#36
『 ぷっはぁ~ はぁはぁ・・はぁはぁ・・』
―― 苦しかった~!!キスって・・こんなに苦しいものなの?
死ぬかと思った・・・orz
漸く死神が唇を離すと未来は息を思いっきり吸い込んだ
その仕草も可愛いらしい
「息の仕方も教えましょうか?」
クスクスと笑いながら死神が言う
『え~?!あの状況で息って出来るの?』
信じられない・・と言う顔の未来
「えぇ・・そう聞くって事はもう一度キスしても良いって事になりますが?」
未来の顔を上に向けながら死神は聞いた
『ぎゃー!!ちょっと待って。違うから!ダメだから!』
未来は慌てて横を向く
「私が嫌いですか?」
死神は頭を撫でながら耳元で囁いた
『・・え?。嫌いじゃないよ?』
真っ直ぐに見つめながら答える未来
「それなら・・・良いですよ」
『・・嫌いじゃなきゃ良い?』
「えぇ。嫌われてたら、こんな事はしませんが・・
まぁ2人で好きって盛り上がれたらもっと嬉しいですけどね」
『え~?そういう事って2人で好きだ!!って盛り上がってするんじゃないの?』
「そうでは無い事もあるんですよ・・」
―― そんな事もあるんだ・・恋愛って難しいんだね~ってよく解らないけど・・
当にそんな事の真っ最中である未来は気が付かず思案続ける
―― 沙羅を嫌いなんかじゃないし・・・逆に好きだし
・・私ったら沙羅好きだよ。うん。
『私、沙羅の事・・・好きだよ?』
何気に未来が言うとハッと驚きゆっくりと笑顔になる死神
「そうですか・・・じゃぁキスしても良いですね?」
そう言うと唇を重ねる
―― うぅ・・やっぱり息できない・・・って・・あれ?!
『 あ――!!そうだ!!何か可笑しいと思ったら
沙羅にお礼もキスで、沙羅からのお礼もキスってずるい!!』
未来は抗議をすると身を捩って離れようとする
「バレましたか・・・」
死神は楽しそうに笑い、それでも未来を離さない
「じゃぁカフェで好きな物を奢る・・でどうでしょう?」
『・・・何頼んでもいい?』
「えぇ。勿論」
『 何個、頼んでも良い?』
「好きな物を好きなだけ頼んでいいですよ」
『 わ~ぃ♪沙羅大好き!!』
未来はぎゅっと死神を抱き締めた
―― やっぱり未来の好きは恋とは違いますよね・・
しかし死神は未来を愛していると言っても過言ではない。
未来に出会うまで・・恋愛感情なるモノが自分にあるとは思わなかった
先程、言った様に・・・嫌いではないから付き合う。抱く・・ただそれだけ。
「好きな人に嫌われるのが怖い」や「好きな人が悲しいと辛い」
なんて只の戯言だと思っていた
「自分より仕事が大事なのは当然だ」と未来に言われて焦るとは
自分でも思わなかった
好きな人に好きと言われる事があんなにも嬉しい物だとは・・
未来の好きは恋には遠いかもしれないが・・それでも死神は嬉しかった。




