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宿坊あやかし奇憚  作者: あやと
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本日休業

2回目にしてお宿はお休みです

『半蔵様おはようございます』


――朝・・山から帰ってきたら お嬢が・・・変だった。


早く起きているのも変だが・・


「お嬢。熱でもあるんですか?」


未来をたくしよせると額を触る半蔵


その行為に照れつつ


『いやですわ。半蔵様・・熱なんてないです』


未来は赤く染めた頬を押さえている


「それじゃぁ夕べ呑みすぎて階段から落ちたとか・・」


『ち・・違います!それより半蔵様・・朝食のご用意が出来ました


さぁ座って下さいな』


半蔵を促すと茶碗にご飯を盛る


『はい。召し上がれ♪』


「・・・。」


玉子焼き・ほうれん草のおひたし・なめ茸の味噌汁


焼き魚は鮭で大根まで添えられている




・・・ありえない。


食べる係りと嘯(うそぶ)くのお嬢が・・朝ごはん?





『・・・半蔵様?』


未来が炊きたて御飯が盛られた茶碗を差し出しつつ


首を傾げている


「ありがとうございます」


『沢山、召し上がって下さいね』




毒は入ってないようだが・・・



さて・・どうしたものかな


考え深げな半蔵はズズッ音を立てて熱い味噌汁をすすった








――1時間前


『う~ん・・早く起きすぎたかな?』


朝6時・・珍しく早起きした未来だったのだが


半蔵が居ないため、暇を持て余し縁側に腰掛けていた


『お腹すいたなぁ~半蔵ったら山にでも行ったのかな~』




半蔵の朝は早い


朝起きて山に行き季節の山菜や果物をとり、湧き水を汲み


畑で野菜の世話と収穫、鶏の世話をして卵を頂く


お爺の頃から宿泊客と自分達の食事をほぼ自給自足で賄う様にしていた


収穫を終え帰ってくると御飯の支度


未来を起こし食事にする


それが半蔵の朝の日課であった



『う~ん・・・私が作るのもなぁ・・』


料理が出来ない訳ではないが・・・


半蔵の御飯の方が美味しい♪


作ってもらうと美味しいけど・・何故かな~?


半蔵の作る御飯って余計に美味しい気がするんだよね・・


あ~でも作ってもらうのが美味しいなら


半蔵もたまには御飯作って欲しいかな~?


などと考えながら、ぼんやりしていると


猫が1匹庭に迷い込んできた


『おいで。お前・・迷子?』


抱き上げて撫でてやるとゴロゴロと喉を鳴らしている


歳はとっていそうだが毛並みも艶々としていて真っ白い


『う~ん・・御飯作った方が良いかな~?』


「にゃぁ~ぁ」


猫が返事するように鳴いた

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