↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宿坊あやかし奇憚  作者: あやと
59/106

宿坊あやかし奇憚#33


「お嬢?食べられますか?」


『う~ん・・・いら・・な・・い・・』






半蔵がここに来て15年目・・未来19歳の時


珍しく未来が風邪を引いた。



普段健康な分、患(わずら)うと長引くのだが・・・今回はもう1週間も熱が下がらない


ここ2日間は何も食べていないに等しい状態だった



「やっぱり・・あの医者、藪なんですよ」


心配顔の半蔵が言い募る


『ん・・・』


熱による熱い吐息を吐きながら一応の返事をする未来


半蔵は未来の額に乗せたタオルを濡らし再び額に乗せる



―― もっと大きい病院に連れて行った方が良いか・・



そう思案していると額の冷たさが誘ったのか


未来の吐息が寝息へと変わる。変わらず辛そうではあるが・・


半蔵はお粥を乗せた盆を持つと部屋を出た。


















『あれ・・?ここ・・何処だろ?』


気が付くと未来は不思議な所に居た・・


修学旅行で行った京都の寺院に似たような堂が連なり


雨戸が開いた部屋の一角には豪奢な御簾が立てられている



―― 誰も居ないのかな・・・



『 すみませ~ん!誰か居ませんか?』


未来は廊下に上がると御簾内に声をかける


『 誰か居ますか?』



「はい。何方(どなた)かな?」


後ろから男の声がかかり振り向く未来


「あれ・・・君は・・」


「え?!未来!!どうしてこんな所に居るのよ?」


同時に言われて未来は混乱したが女性に気が付き


『 小町さん?』


問いかける



「何で疑問形なのよ?」


小町は整った眉を顰める


『いや。1回しか会った事ないし・・』


「こんな美人を疑問形とは失礼な・・」


「まぁまぁ。小町。・・・君が未来ちゃんだね?


その節は孫がお世話になったね」


男は小町を嗜めると未来に微笑み礼を述べる



『 孫って事は・・・もしかして・・・篁さん!?』


「えぇ。」


『え――?!沙羅に篁さんに会いたいって言っておいたんです!!


握手してもらって良いですか?』



「死神から話は窺ってます。」


興奮気味に手を出す未来に篁は笑顔で握手に応じると続ける


「それにしても、こちらから窺おうと思っていたんですが・・


また何故・・・まぁ。折角ですし、お茶でもいかがですか?」



『わ~ぃ♪頂きます!』


篁は小町に何やら耳打ちすると未来を自室へと連れて行った













「死神。未来が来てるわよ?」


小町は篁に言われた通り死神の所に使いに行くと口開一番に言う


「エイプリルフールには、あと半年ありますが・・」


死神は顔も上げずにパソコンに向かって何やら打っている


「信じなくても良いけど・・・。一応伝えたからね」


小町はそう言うとそのまま出て行ってしまった



沙羅は顔を上げると訝しげに小町が出て行った戸を見つめ


パソコンで未来(みく)の管理ページを開く


画面一杯に管理終了の文字が映し出されていた



「そんな筈は・・・」



赤い画面の前に沙羅の呟きが虚しく響いた







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。