宿坊あやかし奇憚#32
「沙羅さんだった?」
『うん。でももう帰ったよ~』
「で?何があったのよ?」
『うん・・実は・・』
未来は先程あった出来事を美弥に掻い摘んで話した。
「事故にならなくて良かったね~」
『うん♪無事、家に帰れるのは沙羅のお蔭だね。』
楽しかったね~♪2人笑顔で終わった修学旅行だった
『あれ?半蔵。ただいま~♪』
バス停に着くと半蔵が待っていた。
ぴょんとバスを降り嬉しげな未来から荷物を取り上げると半蔵は歩き出す
遅れまいと付いて歩きながら楽しそうに旅行中の話をする未来
『お土産もいっぱい買ったよ♪』
お土産が入った紙袋は全て御当地菓子や特産品だ
―― お土産って・・・自分のだろう?
そうしてる内に家に着くと
『やっぱり我が家が一番だね~』
未来は年寄り染みた事を言い座る
「お嬢。御飯にしますから着替えて来てください」
半蔵は荷物を取り合えず置くと未来に言った
『は~い♪』
ちょっとはゆっくりしたいが、御飯の為なら仕方が無い。
返事をすると着替えに行く
その間に半蔵はテーブルへと料理を並べにかかった
オムライスとハンバーグ。
半蔵特製デミグラスソースがたっぷりかかった未来の大好きなメニューからは
半蔵の黙って帰った事への謝罪が窺える
『わぁ~♪すごい!!何で?』
未来は大喜びでパクつくと
『ん~♪美味しい―♪』
頬を両手で押さえる
―― 京でも沢山食べていたが・・何か違うと思ったらこれか・・
未来が美味しい物を食べると頬を押さえるのは幼い頃からの癖だ
それは京では無かった。
普段、半蔵の御飯が一番美味しいと言ってるのは本当らしい
半蔵は緩む口元を誤魔化す様にビールを口にする
『そうだ!半蔵。はい、お土産』
お腹が一段落したのだろう思い出した風に未来が言い小さな包みを渡した
『早く開けてみて♪』
半蔵はリボンを取ると包装紙のテープを慎重に剥がし箱を開ける
そこに入っていたのは瑠璃色の天然石が羽の形になっている
星を散らした様な金が綺麗なストラップ
『 綺麗でしょ?でも半蔵にはやっぱり銀を散らしたのが良いんだけど・・
無くって・・あ~でも!ちゃんと包んでリボンもしてもらったんだ~♪
そうだ!私のもあるんだよ~』
未来はそう言うと自分のをポッケットから出し見せる
こちらは柔らかいオレンジ色の天然石だが光が入っている
―― ペアになってるのは・・気にして無いのか・・?
いや。それより2人共、携帯持ってないんだが・・
ここの電話は黒電話のみ
キーホルダー代わりにしても未来は鍵を持ってはいない
大概、半蔵が家に居るからだ。
『気に入らなかった?』
何も言わない半蔵に未来が首を傾げ聞く
「いいえ。嬉しいです・・・お嬢。ありがとう」
『どういたしまして』
未来は満足そうにニッコリと微笑む
「明日・・携帯、買いに行くか?」
その笑顔に見惚れながら半蔵は言った
『あー!!何に付けるか考えてなかった!うん♪でも・・・いいの?』
「えぇ。お嬢もそろそろ持ちたいでしょう?」
『ん~?別に無くても困らないけど・・・でも行く♪』
わぁ~い♪お出かけだー♪と両手を上げ喜ぶ未来。
―― 今日まで出掛けてただろ・・
心の中で小さく半蔵が突っ込んだ
翌日・・買い物を終えた2人の手には、お揃いの携帯。
お揃いのストラップが揺れていた
お疲れ様です。
今回の未来の修学旅行話し・・
思わず長くなりましたが、やっと終わりました!
更新中にブックマークも増え嬉しい限りです
ありがとうございます!!
まだ#33~(未来と半蔵の昔話し編)続きます




