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宿坊あやかし奇憚  作者: あやと
55/106

宿坊あやかし奇憚#29

『ん~♪美味しい―!!』


「ねぇ・・駅弁、何個買ったのよ?」


『え~?これは、ひっぱり蛸飯でしょー。でーこれが京都牛膳


それでこれが、あなご寿司でー。これが・・・京のおばんざい』


未来は蛸飯を頬張りながら、牛膳をおかずにしている



「はぁ・・」



美弥は未来の食いっぷりに関心するばかりだった






修学旅行最終日、要は帰るだけ。



爽耶は形代(かたしろ)に戻り、半蔵は・・・朝起きると居なかった




―― 半蔵ったらどうしたのかなぁ?


何か怪しげな術で帰れると思うけど・・・まぁ大丈夫でしょ。




う~ん?と考えたものの、解らないので取り合えず未来は


目の前の弁当を片付ける事にする


デザートは、とろける抹茶プリンだ
















―― 大人気なかったか・・・



その頃、半蔵は途中放棄した家事を再開しながら考えていた




―― 未来は夢だと思っていたんだし・・


てか・・あの状況で寝るか?


あれ位の年齢だったらもっとこう・・


前の時はもう・・それなりに・・・


でもやっぱり黙って帰る事はなかったよな。


はぁぁぁ・・



反省と雑念と深い溜め息に塗(まみ)れる半蔵だった














『あれ?・・・沙羅?』


「え?沙羅さん?」


『う~ん?ちょっと見てくる!!』


そう言うと未来は駆けて行ってしまう


「え~?ちょっと未来?!」


美弥が声をかけた時には、この車両から見えない所に行ってしまっていた








『沙羅!!』


「見つかってしまいましたか・・・」



未来は死神をずっと追いかけ、やっと捕まえたのは運転席の手前だった


『お仕事?・・・じゃないね?』


今日の死神はローブも着ていないし大鎌も持って居ない


細身のパンツにⅤネックのカットソーとかなりラフな格好だ



「えぇ。ちょっと・・知り合いに会いに。」


『あ・・ごめんなさい。邪魔しちゃうね』


「良いですよ」


未来なら何時だって大歓迎です・・と言いながら腰に手を回す



『今日帰るんだよ~すごい偶然だよね?』


「偶然でも無いんですけどね・・」


『え?』


「いえ。・・・立ち聞きしてないで出てきて良いですよ?」


死神は運転室に向かって言うと扉も開かないのにスーッと出てくる陰


それはムクムクと形作ると人型を成しニコリと微笑んだ




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