宿坊あやかし奇憚#25
「今日はやっぱり晴明神社よね~?
晴明神社に行って一条戻り橋へ行くから。
その後、西陣織会館ね?」
美弥は振り返りながら未来に声をかけた
『う~ん・・』
朝御飯をしっかり食べた未来はもう早、眠たげだ
隣の半蔵に凭れながら生返事を返す
「未来?!聞いてる?」
『・・うん』
今日の移動はバスだ暖かい日差しと振動は眠気を誘う
「晴明神社に行ってから、一条戻り橋へ行くんですか?」
半蔵は未来に肩を貸しながら美弥の言葉を確認をした
「うん。修学旅行にお勧めって、あるHPで見て・・・何か?」
美弥はWEBで見つけたものを印刷した用紙を見せる
「順番が逆です。」
「え?・・順番?」
「一条戻り橋から晴明神社に行くのが正しい道順です。
戻り橋はあの世とこの世を繋ぐと言われています
晴明神社から戻り橋に行くと清めが出来ません」
「え~?それは困る!半蔵さんありがとう」
「いいえ」
―― 半増さんやっぱりサラリと格好良いのよね~
話し方のソツの無さとか・・
そう言えば昔は敬語じゃなかったし、未来をお嬢とも呼んでなかったよね~?
いつからだっけ?
もしかして・・未来に生理が来てから?
あっ・・・半蔵さんたら未来をちゃんと女性扱いしてるんだ~
ちゃんとと言うには雑な時あるけど・・
美弥が昔の事等を、考えている内にバスは停車し
お目当てのバス停へと着く
晴明神社へはバス停から徒歩3分。戻り橋へも同じ位の時間で行ける
南へ歩くと戻り橋
其々に歩き袂まで行くとクルリと振り返り清明神社へと向かう
『え~?何で戻るの?』
未来1人が納得出来ない風に文句を言ったがスルーされた。
晴明神社では美弥は実は石像好きなのではないか?と言うほど写真を撮り捲り
お守りまで買って満足顔だ
「さて御飯の前に西陣だよ」
『え~?御飯まだ?』
「だって着物着るのに苦しくなるでしょ?」
当然だと言う美弥に未来は不満顔だ
どこから出したのか半蔵は飴を未来に与えると
未来は喜び早速、口に放りこむと片方の頬が膨らんでいる
すっかり機嫌が良くなりこれから着物着るんだよ~と半蔵に説明している
―― いや。それは私の話から解ってると思うけど・・
さすが半蔵さん。扱い上手いよね~
そうしてる内に西陣織会館へと着き
着替えと化粧の間、男達は暇つぶしをする羽目になった
『「お待たせ~♪」』
2人揃って言うとクルリと回ってみせる
未来の装いは深緑地に帯下から辻が花が豪華な振袖、だらり帯は白地に桐竹鳳凰文
ぽちりと呼ばれる帯止めは翡翠の蝶だ。
襟元から小菊をあしらった赤の半襟が覗く
美弥の方は薄山吹地に楓が散る模様が肩から入る御所車の振袖、
だらり帯は黒地に宝相華ぽちりは赤珊瑚と真珠
襟元は白の亀甲紋、襟抜きした後ろが赤になっている
―― やはり辻が花に花簪だよなぁ・・
何時ぞや未来が浚われた時に見た着物姿に不満を持っていた半蔵は
満足顔で未来を見ていると
爽耶は何も言わず顔を赤らめ美弥に見惚れていた
「散歩してきても良いんだって」
『どこ行く?』
「この近くだと・・・白峰神宮かな?」
会館の前で話していると
「あの~1枚撮っても良いですか?」
観光客から撮影したいと声をかけられた
1人撮れば我も我もと2人はすっかり囲まれてしまう
「そろそろ行かないと、時間が無くなります。」
半蔵が割って入り撮影会はお開きになった
『美弥ってサッカー好きだったっけ?』
半蔵は当然の様に手を取られ歩く未来が突然に言った
ポックリという舞妓さんが履く高い下駄を履いているので歩き辛い
「え?何で?」
美弥は爽耶と手を繋いでいるのだが、爽耶が赤い顔をしているのに対し
美弥の顔が赤いかは白粉のせいで解らなかった
「へ~サッカーの祈願とかあるんだ?」
未来の質問の意味が絵馬で解った美弥が呟くと
「崇徳天皇は蹴鞠が得意だった事に肖ってるらしいですね」
半蔵が答える
『バレーボールは違う気がする・・・』
「とにかくお参りしようよ」
『そうだね』




