↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宿坊あやかし奇憚  作者: あやと
36/106

宿坊あやかし奇憚#10

「さぁさ姫様・・・御召し変えですよ。」


侍女達は嬉しげに、この振袖なら翡翠の帯だとか髪はどうするか?


などと言ってハシャイデいる



―― 何だか楽しそう・・


浚われた事も忘れて未来は下着のまま着せ替え人形の様にただ突っ立っていた



「おい。未来・・」


突然、小声で呼ぶ声が聞こえた気がして見ると御簾がちょっと上がり半蔵が見えた


シーっと人差し指をあてる半蔵



―― 半蔵。やっぱり助けに来てくれたんだ・・・って私・・下着姿!?



今更気が付いた未来はしゃがみ込むと


『キャ――ッ!!』と悲鳴を上げた



「・・おい!馬鹿!!叫ぶな!!」


半蔵は突然の未来の悲鳴に驚き


「曲者!!」


侍女達は叫び未来に内着をかけるとサッと奥へと連れて行き


バタバタと取り巻き達が駆けつける羽目となった。



―― こういう時に女を発揮するなよ・・


普段、風呂上りにバスタオル1枚でウロウロしてるくせに・・


これではどちらが悪者か判ったもんではない・・



半蔵は溜息混じりに連れて行かれた





「へぇ~。あぁは言っても、迎えに来るなら御爺様だと思ってたんだけどな・・」


王は珍しい物でも見るように半蔵を見ると気軽に話しかけた


「爺に未来を嫁にくれと言ったそうだな?」


「こら王の前だぞ!!」


「無礼であろうが!!」


取り巻き達は半蔵の態度が気になり言うが半蔵は一向に気にしない


ふんっと鼻を鳴らすと


「俺の王ではないんでな」


しれっと言い放つ



「まぁ良いよ。そう。姫君を是非に嫁に・・と僕が赴いて言ったのさ


この僕がだよ?・・・断られたけどね」



「それで本人を浚ったのかよ?」



「だって・・決まった人が居るようだ。と言われても・・


出会わなければ解らないでしょ?」



「はぁ?決まった人??んなの未来に居るのか?」



「さぁ?僕は御爺様の方便だと思ったんだけど君が来た・・・


でもその様子だと違うみたいだねぇ?」




「・・・」



―― 未来に許婚(いいなずけ)?そんなもん居るのか?


未来は俺の・・・運命の女な・・はず・・いや・・。



半蔵は昔、爺に「人探しに来た」とだけ言ったのだが・・それが女だとは言わず


何世にも渡り必ず出会い、愛し合い、別れた相手だとは言っていない。


幼い頃から側に居たせいか・・半蔵自身が気が付いたのがつい先日・・


未来が初潮を迎えた時だった





「そうかそうか。・・・赤飯を炊かなければな」


『・・・。』


未来が爺の部屋で話をしていたからお茶を持って行くと


半蔵が来た事に気が付いた未来は


真っ赤な顔をしてバタバタと部屋を出て行ってしまった・・



「未来!!廊下を走るな!!」


いつもの様に注意し走る未来の後姿を睨んだ時



―― ん?未来が何時もと違う・・・?



芯の強さ・・色彩(いろ)は変わらないが・・あの輝き・・あの輝きは・・


まさか・・・未来が?!


えぇぇぇぇぇぇ!!!??


半蔵は茶をひっくり返すどころか自分が引っ繰り返りそうになる程驚いた



―― そうりゃ・・いつでも出会った時は年頃の娘だったけど・・


未来と4歳で出会い、今まで・・気が付かなかったと?


幼かったとは言え・・輪廻した1つの魂だ・・・


愛おしい女の見分けがつかない。なんてあるのか?



自分に自信がなくなる半蔵だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。