人生日々修行2
『んで?』
未来はグラスに口を付けながら普通に聞いた
「んで?って・・・」
困惑顔の坂田
「お嬢。質問をする時は主語を言って下さいと何時も言っているでしょう」
半蔵は溜息をつきながら未来に言う
『いや。今のはさ坂田さんの人生の話しだったじゃない?
何で今の世に刀が必要で・・・うちに刀があるのかなぁ?と思ったのよ』
「あぁ・・・」
2人の男はやっとの納得顔で顔を見合わせた
「それは・・」
「いや。半蔵・・俺が言おう」
半蔵が説明しかけたのを坂田が遮ると
床の間に飾られている刀を手にしスラリと抜いた
「この童子斬り安綱は鬼を斬る為の物だ・・
ジャジャウマ・・いや。未来・・
お前を斬る為に来たと言ったらどうする?」
ニヤリと嗤うと切っ先をこちらに向ける
「坂田!!」
慌てたのは半蔵だ。
未来を引き寄せ庇うように背に隠す
――油断した・・坂田との間を考えると無傷ではいられない
それにこの殺気・・本気だ・・
刀を上段で構える坂田
『・・・・さぁ?』
未来は半蔵に庇われながらやや間延びした声で坂田に答えた
「さぁ?ってお嬢・・・」
思わずという風に半蔵が突っ込む
『だって何で斬られるかも判らないのに答えられる訳ないじゃない?
どうする?って・・逃げるって言ったら、じゃぁ止めたってなる?
だったら最初から人に刀を向けるなつーの!
それに別に私、人は食べなくても食べる物あるし・・
ご覧の通りうちは貧乏でお宝も持ってないし
理由なんてさっぱり解らないわよ』
――何故こうも斜めに話が進むのか・・・
半蔵はそっと溜息をついた
『それにさ~鬼殺しに加担した事を悔やんだ坂田さんが
私を殺しに来たって言うなら・・それなりの理由があるんでしょ?
半蔵の友達なら相当の覚悟をもって来たんだろうし』
未来はサラリと言ってのける
「あははは!!
いやぁ今度の主は女だと聞いて、どうか?と思えば
爺様に負けぬ肝の据わった奴だわ」
いやぁ愉快、愉快と坂田は笑いながら刀を納める
「斬りに来たのは本当なんだが・・
ここの家は鬼と人が交わり出来た家系だ
邪に憑かれていたら、それを斬る為ここに来たんだ」
『邪って?』
「つまり邪魔・・邪に憑かれると魔になる・・世にとって邪魔な存在になる」
『ん~?』
未来は良く解らない顔で坂田を見つめる
「人でもそうだが・・黒い靄のかかった様な奴を見た事あるか?」
未来はコクリと頷いた
「その黒い靄が邪だ・・奴等は人の欲や怨みなど負の思念の塊だとも言われている」
『人に憑くのと私に憑くのと違いがあるの?』
「あぁ・・。鬼の血の分、人のそれより激しく引きずられる
だから俺が来て邪に憑かれていれば斬って祓うんだ」
『祓う?消すのではないの?』
「奴等は粉々になっても消えるという事は無い・・元々が思念だからな」
『んで?私は邪に憑かれてるの?』
「いいや。大丈夫だ」
『そう・・それってさぁ~半蔵は出来ないの?』
「出来るさ。でもこれは俺の仕事だ」
『仕事?その報酬はどこから出るの?』
「それは・・・まぁ言えないな」
『ふーんー』
未来はちょっと首を傾げると立ち上がった
『じゃぁ私はもう良い?友達と約束があるの』
その言葉に半蔵が眉根を寄せる
「あぁ。良いだろ」
坂田は半蔵に聞く様に言うと半蔵も渋々頷いた




