名探偵?!未来
『お食事中にお酒はいかがですか?』
食事中の亀の元に未来がやってきて聞いた
今日はワゴンに沢山の酒ではなく、紺碧色の一升瓶を手に持っている
『大海酒造の海です。芋焼酎ですがフルーティーで爽やかな後味となってます』
「じゃぁもらえますか?」
『よし!・・』
「何か言いました?」
『いいえ。私も御相伴に預かってよろしいですか?』
「勿論です。お爺様の孫さんと呑めるなんて嬉しいですよ」
『私も色々聞きたい事がありますし・・』
未来は亀の分のグラスと氷を用意すると
自分には半蔵特製、地鶏の串焼きが乗った皿と氷の入ったグラスを持ってきた
未来がお酌をすると亀は少し照れた様な顔をしてから
それを隠す様に酒を煽る
『お爺とも呑んだんですか?』
手酌で焼酎を注ぎ未来は聞いた
「えぇ。竜宮に行かないって事でしたので・・お礼に長寿酒をお持ちしました」
『長寿って・・・死んじゃいましたけど?』
「はい。一口呑めば5年・二口呑めば10年長生きし・・
三口呑めば死ぬまで生きるという代物なんですが・・・・」
『爺ったら全部呑んじゃったんでしょ?ww』
「はい」
――爺の話をしながら呑んで30分後・・・
「お~ぃおぃおぃ・・お~爺~様~!!
どうして?待っていてくれなかったのですか~!!
亀はもう一度お会いしたかったのに~」
泣き上戸だったらし亀は突然、叫びながら泣き始め
またもや半蔵が駈け付ける羽目となった
「お嬢?!どうしたんですか?」
『どうもしてないわよ?ただ爺の話しして呑んでただけ』
「・・・まだ半分も空いてないないじゃないですか?」
『うん・・泣き上戸みたいね?』
「御労しい~!!お爺さま~!!」
「・・・黙らせますか?」
叫びながら泣いている亀が煩わしいのか・・拳を握り半蔵が物騒な事を言う
『まぁ待ってよ・・ねぇねぇ亀さん?』
「はい・・」
グジュグジュと鼻を鳴らしながら亀が返事をする
どうやら会話は出来そうだ
『どうして・・今までお爺に会いに来なかったんですか?』
「それは・・・」
『お爺に助けられたって言ってましたよね?』
「はい・・」グスッ
『どうして亀さんは崖の上から落ちたんでしょう?』
「そっそれは・・」
『私ある事を思いついたんです・・・違ったら違うって言って下さいね?』
未来が問うと亀は黙って頷いた
『亀さんには死にたくなる程の罪の意識があった・・・例えば・・
大切な人に隠し事をしているのが辛くなったとか・・
その人に嘘をついたけど・・悲しむ顔を毎日見るのが辛くなったとか・・
毎日・・毎日。蓄積されていく罪悪感・・日々を重ねる内に耐えられなくなった?』
亀は黙って頷いた
『そしてある日。とうとう決心して自殺を図ったけど・・死に切れなかった。
それどころか・・今際で生きたい!!と強く思った
自分の浅ましさを知ってしまった・・知りたくなかったのに・・
自分の命で罪を購うつもりだったのに・・
その時、お爺に何か言われて・・
怪我が治った亀さんは竜宮に帰る事を決心して帰った
でもそこで・・罪を償うのに時間がかかったって所かしら?』
どう?と問いかける表情の未来に亀は驚きを隠せない顔で見つめている
「お嬢・・凄いですね」
半蔵もしきりに感心している
・・・半蔵ったら知ってたのね
未来はプイッと顔を背けた




