半蔵VS浦島
「失礼いたします」
半蔵は客間へ声をかけると座ったまま襖を開ける
――やはり・・
「あ・・すみません僕はまだ準備が・・」
浦島は風呂を上り喪服に着替えてる所だった
・・線香を上げたいとは言ったが早くないか?
「・・本日はどのような御用向きで?」
慌てる浦島をよそに半蔵は丁寧に聞く
「生前・・お爺様に大変お世話になりまして・・ご焼香をと・・」
ワタワタとしている浦島
「それは態々(わざわざ)ありがとうございます」
半蔵は畳に手を付き一礼をすると顔を上げ
「しかし・・・変ですね」
訝しげな顔を作ると疑問を投げかけた
「・・・何がですか?」
思わずといった風に浦島のネクタイをまく手が止まる
「浦島様とお爺様とは旧知の仲ですよね?そう窺っておりましたが・・」
「はっ・・はぃ・・」
確かめる様に半蔵が睨むと浦島は震えだした
「それなら知っておいでの筈ですが・・」
構わず話を続ける半蔵
「なっ・・何をでしょう?」
浦島はとうとう膝をついてしまった
「ここに仏壇がない事です」
「え・・・?」
ハッキリと言う半蔵に虚を突かれた浦島はポカンと口を開けた
「浦島様?」
半蔵の声に慌てて口を閉める浦島
「・・・ない?」
「はい。だからご焼香は・・無理です
それに・・貴方・・浦島様ではありませんよね?」
「なっなっな・・何故?」
今度は慌てて後ろに引っ繰り返り尻餅をつく
「お前は・・誰だ!!」
すかさず浦島に詰め寄ると半蔵は男に顔を近づけ凄むと
『え――?!偽者!!』
未来の素っ頓狂な声が聞こえてきた
「未来様!聞こえてしまいます」
未来を嗜めるイズナの声まで聞こえる始末だ
半蔵はガクリと肩を落とすと振り返り
「お嬢。静かにしていて下さいって申し上げましたよね?」
さっきの凄みはどうした?と突っ込みたくなる様な声色で未来に言った
『うぅ・・ごめんなさい』
罰の悪そうな顔でペコリと頭を下げる未来
「しょうがないですね・・」
未来に座る様に促すと自称浦島の前に半蔵・未来・イズナが座る
浦島もスーツを整え座りなおした




