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24 五家・千本木の戦い (其の4)

豊田勢3500は大ピンチに陥りますが…


果たして、重兵衛は、殿と仲間達を救えるのか?!


また、次なる刺客は一体何処に潜んで居るのか…?


それでは本編をどうぞお楽しみ下さいませ…

(おかしい…何かがおかしい…んっ?…しまったぁっ!!)


(これは策略だっ!退くと見せかけておいて、廻りを囲んできている…)


「政重様、罠です!これは罠で御座るっ!!」


「何じゃ?どうした重兵衛?!」


「罠に嵌まりました!ご覧下さい!!逃げた筈の敵兵達が皆、此方を向いて私達を見ておりまする…」


「何じゃとぉっ?!」


「少しづつですが、じりじり…じりじりと此方に向かって間隔を詰めてきております!」


「真かっ?!…うっ…こ…これは…一体どういう事なのじゃ?!」


「囲み込まれて居ります…3500を5000の兵で…」


「くっ…くそぉっ…多賀谷めぇっ!如何する重兵衛?!」


「はぁっ!囲まれたものは仕方ありませぬ…………………束になりましょう!!」


「たっ…束にか?」


「はいっ!これより、治親様を中心にして丸く円を描くように束になっていくのです!!3500の堅い大きな丸は、その周りを5000の薄い円で囲まれても、ビクとも致しませぬっ!」


「良し!重兵衛っ、その手で参るぞ!!…して…どのように致すのじゃ?」


「はぁっ!」


私は紙を広げて、図を描いて政重様以下、各将に詳しく説明して伝えた…


「それでは皆様、この図の様に、治親様を囲むように其々の持ち場に付いて下さい!」


「よぉし!これは面白い策じゃ!皆、やってやろうじゃねぇか?!」


「おう!」「おう!」「おう!」「おう!」「おう!」「おう!」…


豊田安芸守治親(とよだあきのかみはるちか)様を中心に、豊田勢は巨大な丸を形成していった…


「どこからでもかかって来い!と言う感じじゃのう?重兵衛?!」


「はぁっ!しかし、油断はなりませぬ!」


「うむ!」


私は、安兵衛、源左衛門、三五郎、梶右衛門、仁助、源蔵を呼んだ…


「ここが正念場です!皆さん、何としても任務を全うして下さい!!」


「はぁっ!」「はぁっ!」「はぁっ!」「はぁっ!」「はぁっ!」「はぁっ!」




ジリジリと下妻勢が迫って来た…


稲妻が天空を駆け抜け、雷鳴が大地に轟いた…


まるで戦いの合図であるかのように…


千代王が嘶(いなな)いた…


背後から早奴(はややっこ)の嘶きも聞こえた…


更に後方からは北斗王の嘶きも聞こえてきた…


時が…来たのだ…


政重様が皆を鼓舞するように叫んだ…


「豊田・石毛・古間木・四ヵ村・北域の強者達よ!未だ行くなよぉっ!!…未だじゃぞぉっ!…引き付けるんじゃぁっ……ぎりぎり迄引き付けてから…一気に参るぞっ!!…未だじゃぞっ…未だ未だっ…未だじゃぞぉっ…」


敵兵の顔がはっきりと見え始めた…


「未だ未だぁっ!未だじゃぁっ!!未だ未だ未だじゃぞぉっ!!!」


15メートル程に敵兵が迫って来た…


「未だじゃぞぉっ!未だ未だぁっ!!」


10メートルに敵兵が…


「未だ未だぁっ!!」


5メートルに…


「よぉし!かかれぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!」


おおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!!


遂に再戦の火蓋が切って落とされた…


「手強い相手には二人で掛かれぇっ!!」


そう叫んで、私は千代王と共に前へ出た…


激しい戦いであった…


目の前で敵兵が斬られて血飛沫(ちしぶき)が飛び、味方も斬られて血を流している…


私は向かってくる槍や刀を払い除けながら、考えていた…


(早く敵将を捕えなければ…無駄な血が、どんどん流されるだけだ…)


私はいつの間にか、敵兵達の輪の外に出ていた…


(3500の丸を5000の円で囲んでも層は薄いなぁ…これなら負けない!勝てる!!)


私はそう思いながら敵将を探した…


やがて、政重様と源左衛門に出くわした…


「重兵衛、思ったよりも敵の層は薄いぞ!」


「はぁっ!豊田丸3500を、多賀谷5000が薄っぺらな円で囲んだとて、豊田丸3500はビクとも致しませぬ!!」


「うむ!良う申したっ、重兵衛っ!!わしらは豊田丸かっ?!よぉし!…しかし…こやつ…わしの後をずぅっと付いて参るが…何故じゃ?」


「はぁっ!某っ、永田家家臣片岡源左衛門と申します!我が主の命により、政重様をこの命に代えても守り抜く所存に御座ります!!」


「はっはっはっはっはっ、そうか?!相分かった!頼むぞ、源左衛門!!」


「ははぁっ!」


政重様は私を見て、ニヤリと笑った…


私は源左衛門を見て、コクりと頷いた…


二人は再び戦いの輪の中へ消えていった…


私も再び、輪の外から、敵将を探し続けた…


                 (次回に、つづく…)

即席の豊田丸を作って、多賀谷の囲い込み作戦に対抗した重兵衛…


しかし、中々敵将を見つけ出すことが出来ません…


これ以上無駄な血を流させたくない重兵衛は、焦りながらも意外な敵将と再会し、心を通わせることに…


次回も「つぐみ龍の伝説」…


『第25話 五家・千本木の戦い (其の5)』にどうぞ御期待下さい!



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