22 五家・千本木の戦い (其の2)
重兵衛に次々と襲い掛かる下妻多賀谷の刺客達…
今回は、いよいよ、下妻一の手練れと言われる、桐ヶ瀬 弾正殿との対決です!
果たして決着は如何に…?
それでは本編をどうぞお楽しみ下さいませ…
やがて、先程の桐ヶ瀬 弾正殿と思しき青鹿毛の馬に跨がった武将に行き着いた…
「桐ヶ瀬弾正殿とお見受け致したっ!某は、豊田家家臣・永田重兵衛常充と申す!貴殿は、多賀谷家屈指の手練れとお見受け致す!尋常に勝負されたし!!」
「おぉっ!来たか?!永田重兵衛殿っ!!火消し装束とは洒落ておるな?!無論、望む処…其の首頂戴仕る…」
「やれるものならやってみよ!」
そう言って、私は千代王と共に、桐ヶ瀬殿に向かっていった…
(うっ!…何だ?…この…今までの相手とは全く違う…何か余裕すら感じられる…これはマズい…)
私は直感的に、そう思った…
私は千代王の手綱を引いて間合いを取った…
(わ…笑っている…)
(こちらを見ながら不適な笑みを浮かべている…)
「どうした?御主の得意な妖術は使わぬのか?!」
そう言って、桐ヶ瀬殿が、青鹿毛の馬と共に、物凄い勢いで、斬り掛かってきた…
私は、何とか太刀で躱したが、大きく態勢を崩された…
「どうした?どうした?その様な太刀筋では、わしには勝てぬぞ?!」
「流石、下妻一と言われる御仁…」
「御主の方こそ、豊田の救世主、雷神の遣いと異名をとって居ろうが?!そろそろ、その化けの皮を剥がしてやろうか?!」
そう言って、また、桐ヶ瀬殿は、青鹿毛の馬と共に此方に向かってきた…
私と千代王は身構えた…
(攻めて来る者には、必ず隙が生まれる筈…)
(なのに…何故?この人には全く隙がない…)
私は、千代王と共に、ギリギリ迄、桐ヶ瀬殿の太刀筋を見極めた…
が…何も見えなかった…
にも拘わらず、私の右の頬からは、血が流れていた…
「くっくっくっくっくっ…永田殿っ!御主、そんなものか?!」
と言って、桐ヶ瀬殿が笑った時…
天空を切り裂くように稲妻が駆け抜け、雷鳴が大地を揺るがした…
私は、身体が熱くなっていくのを感じた…
桐ヶ瀬殿が、青鹿毛の馬と共に、此方に向かってくる…
私の火消し装束の下に纏っている黄金の甲冑からは、青白い火花が散り始めていた…
そして直ぐに、それは激しくなり、私の身体中から青白い火花が散っているようだ…
桐ヶ瀬殿の青鹿毛の馬は、大きく嘶き、私と千代王の前で前肢を挙げて、急ブレーキをかけるように止まった…
「な…何と言う…御主…真に…雷神の…そんな馬鹿な事が…?!」
桐ヶ瀬殿が青鹿毛の馬上で、そう呟いた瞬間…
私の黄金の兜から、物凄い閃光が走った…
すると否や、青鹿毛の馬上にいた筈の桐ヶ瀬弾正殿の姿は、跡形もなく消え去っていた…
千代王が前肢を挙げて嘶くと、主を無くした青鹿毛の馬は後退りして、反対方向に走り去ってしまった…
私は少し桐ヶ瀬弾正殿の事が気になったが…
また直ぐに大軍に囲まれてしまった…
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」
と、私は叫んで、太刀を振り翳しながら前に出た…
すると、私の前方に、サァーッと道が開いて行った…
「雷神だぁっ!」「雷神だぁっ!」「雷神が来るぞぉっ!」「逃げろぉぉぉぉっ!!」
敵兵達が逃げ惑うのを余所に、私は千代王と共に、ひたすらに敵の本陣目指して駆け抜けていった…
「龍に乗った雷神が来るぞぉっ!」「龍に跨がった雷神が来るぞぉっ!」…
敵兵達は完全にパニック状態になっていて、私と千代王の進んだ後には、クッキリと道が出来て敵兵の姿は無くなっていた…
後方で、それを見ていた政重様と道鎮殿は顔を見合わせて、ニヤリと笑った…
「さあっ、道が出来たぞぉっ!重兵衛に続くのじゃぁっ!!勇者達よっ、進めぇっ!!」
おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!!!…
ポッカリと開いた、ど真ん中の道を豊田勢が突き進んでいった…
逃げ惑う下妻勢を蹴散らしながら、私と千代王は、ひたすらに前進していった…
(5000の大軍とは、こんなにも凄いものなのか…?)
(まだまだ敵本陣は見えないなぁ…)
と、その時、突然…
ピカピカの栗毛の馬体の馬に跨がった小柄な武将が、私と千代王の前に立ちはだかった!!
(次回につづく)
倒しても倒しても次々襲い掛かる多賀谷の刺客達…
次回も更に手強そうな相手が…
次回も「つぐみ龍の伝説」…
第23話 『五家・千本木の戦い (其の3)』にどうぞ御期待下さい!




