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97.点検
(嫌がらせではないでしょうか?)
仙界の弩九の岩の研究室にて。
弩九が開発した自律型の人造宝貝である震霆は、弩九による定期点検を受けている真っ最中であった。
(嫌がらせではないでしょうか?)
雷岩を削ったりくり抜いたりして造られた、上部の蓋がない長方形の箱に寝かされていた震霆は弩九に対して、疑心暗鬼になっていた。
常より時間がかかりすぎているような気がするのだ。
震霆が研究室を破壊した凛矢に仙罰を与える為に人間界に下りようとしていた弩九を止めていた腹いせに今、わざと時間をかけて定期点検を行っているのではないかと。
凍夜の元へ行かせないように。
(いえ。それはないです。弩九がそのような幼稚な事をするわけがありません。丁寧に私の点検をしてくれているのです。生み出してくれて、かつ、このように定期的に点検もしてくれて。感謝こそすれ、疑念を抱くなど。私とした事が。凍夜に囚われて視野を狭めるなど。まだまだ修行が足りません。定期点検が終わったら、早速修行に励まなければいけません)
意識が遠ざかる中、震霆は薄っすらと笑みを浮かべたのであった。
(凍夜は大丈夫ですから)
(2024.4.12)




