表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
94/165

96.素人




「………」

「手伝いに来ました!」

「素人が発見する事もあると聞く。手伝ってもらおう」


 人間界の竹林にて。

 よほど淡雪筍あわゆきのたけのこを食べたいのだろう。

 快諾する琅青ろうせいとは裏腹に、凍夜いてやは渋い表情を栞太かんたに向けた。


 橙と緋が混ざり合った夕焼けも色を落とし始めて、紺が深みを増してきている。

 太陽は、ほどなくして完全に沈むだろう。

 夜の時間の訪れだ。


「もう夜になる。危ないから帰りなさい。燧乎すいこはどこに居るの?まさか、一人でここまで来たわけじゃないよね?」

「一人で来ました!」

「………嘘だね」

「嘘じゃありません!」

「ううん。嘘だね。君はまだ大仙人様から授かった宝貝パオペイ仙羽衣せんのはごろもを使いこなせていないでしょう。それなのに、どうやって仙界から人間界まで下りて来られるの?」

宝貝パオペイ仙羽衣せんのはごろも凍夜いてや殿を癒したい俺に協力してくれました。奇跡です!ありがとうございます!宝貝パオペイ仙羽衣せんのはごろも!ありがとうございます、大仙人様!ありがとうございます、凍夜いてや殿!ありがとうございます、琅青ろうせい殿!」

「………人間界に下りられたとして、どうして、僕たちの居場所がわかったの?弩九どくも誰も把握できないはずだけど。しかも、琅青ろうせいの名前も知っているなんて」

宝貝パオペイ仙羽衣せんのはごろもが連れて来てくれましたし、教えてくれました!奇跡です!いいえ!宝貝パオペイ仙羽衣せんのはごろもの厚意です!」

「………誰に口止めされたの?」

「誰にも口止めされていません!」

「………君」

「はい!」

「僕を癒す為に来たんだよね?」

「はい!」

「嘘をつかれると、精神的疲労が溜まるよ。癒す行為とは真逆の事をしているんだよ。わかっている?」

「はい!」

「………」

「俺、嘘ついていません!」

「………」

凍夜いてや。この人間の少年がどのような方法と理由でここまで来たのかを問いただすのは、後に回すのだ。喫緊に行動すべきは、淡雪筍あわゆきのたけのこを探し出す事である」

「はい!俺!手伝います!」

「ああ。素人の勘を期待している」

「はい!」

「よい返事だ」

「ありがとうございます!」


 本当は有無を言わさず仙界の燧乎すいこの元まで送り届けたい。

 だが、いつポメラニアン化するかわからない身体で送り届けるのは避けたい。

 ならば、琅青ろうせいに頼めばいいが、淡雪筍あわゆきのたけのこを見つけ出して食べるまでは無理。


(………今まで、仙界と連絡を取る手段を必要としてこなかったけど。弩九どくに作ってもらうかな)


凍夜いてやも。再開してくれ」

「………はいはい」


(もう、誰だよ。この子を僕たち。いや、僕のところまで連れて来たの)











(2024.4.11)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ