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90.深層 と 91.淡雪筍




 愛情を、

 確かに感じてはいる。

 注がれているとは、思っている。

 けれど、

 表層だけ。

 深層部にまで届かない。

 届かずに、霧散する。


 本当に愛されているのか。

 抱いた疑問が消え去る事はない。

 感じてはいるのに。

 飲み込めていない。

 飲み込めきれない。


 信じられない。




 そう感じてしまう、己が悪いのか。


 そう感じさせてしまう、親が悪いのか。











(2024.4.10)







 淡雪筍あわゆきのたけのこ

 地中に完全に埋まり、全く日焼けしていない筍。

 筍特有のえぐみやアクが少なく、極上の甘みと柔らかさ、なめらかさを味わえたのち、淡雪のように溶けていく。

 滅多に出会えない幻の筍である。






「あれ?琅青ろうせい。戻ってきてたんだ。珍しいね。書物庫で会うなんて」

「否。ここは仙界の書物庫に非ず」

「え?」


 凍夜いてやは僅かに首を傾げた。

 琅青ろうせいの言うように、己たちを囲んでいるのは、膨大な書物ではなく、膨大な竹だった。

 もしかして、久しぶりに集中して書物を読んだので、精神的かつ肉体的苦痛を感じて、ポメラニアン化して、仙界の琅青ろうせいの岩に行って、琅青ろうせいに癒してもらったのか。

 そう考えた凍夜いてやであったが。

 半分正解で。


「ここは、人間界の竹林である」

「え?」


 半分、間違いであった。


「吾輩はただいま絶賛、淡雪筍あわゆきのたけのこの探索中である」











(2024.4.10)




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