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85.天上無敵
宝貝、天上無敵。
仙界で育てられている数ある内の一本の桃が変化した仙人、一心が装着している。
みんなのやる気を削ぎ無気力にさせる桃の甘い芳香を強く漂わせているので、それを抑える為の宝貝。
桃色の宇宙服(上部胴体、下部胴体、手袋、兜で全身を覆い、中に酸素を満たして宇宙の真空から身を守る服)である。
「う~む~。あらゆる呪いを解く桃、万葉桃の場所でござるか?」
仙界の一心の岩にて。
桃の形をしているその巨大な岩には、あちらこちらに桃が植えられていて、桃はそれぞれ気紛れに花を咲かせたり、実らせたり、枯らせたり、葉を生い茂らせたりしている。
「そう。何か知らない?」
枯れている桃の下で座禅を組んでいた一心に、凍夜は尋ねた。
「う~む~。仙界の書物庫でその存在を書き記した書物ならば読んだ事はござるが、所在までは知らされてはおらなかったゆえ、某もわかりかねるでござる。申し訳ござらん。力になれず」
「ううん。僕もただの噂だと思ってるんだけど。もしかしたらと思ってさ」
一心を訪ねた凍夜は別の手段を探すか、もう少し万葉桃について調べるかどうしようか迷いながらも、とりあえず書物庫に行こうと思い、一心にお礼を言った時だった。
一心が言ったのだ。
もしかしたら、琅青が知っているやもしれない。
(2024.4.9)




