84.一言
え?栞太について一言で説明するならって?
えー。
優しい?
静寂?
冷然?
仙人?
達観している?
人生を諦めている?
そりゃあ、本人の元々の気質もあるだろうけどさ、環境が今の栞太を形成してるような気がする。
やっぱ、両親が小さい頃から共働きしてて、家事をほとんどしなくちゃいけなかったって事とかさ、両親以外に頼れる大人は居なかったのにさ、その両親が自分たちに頼ってくれって感じじゃなくて、栞太に超頼り切っている感じで甘えてて、あなたの好きにしていいよって放任主義で、そんでもって、一人っ子ってところが、色々背負いながら、色々諦めている感じがするんだよな。
俺の両親も共働きだけどさ。
俺は兄ちゃんも姉ちゃんも居るし。
兄ちゃんと姉ちゃんからしたら、嫌かもしんないけど、末っ子の俺からしたら、喧嘩ばっかでもやっぱ、頼れる存在なんだよな。甘えられるし。
そんで何より、二次創作の神たちが居るし。
栞太もさ。俺みたいに、頼れるなーって人とか、生まれてよかったーって何かに出会えたらさ。
もっと、はしゃげると、思うんだけど。
いっつも静かで、冷めてて、さ。
今回の留学で出会えたらいいのに。
けどまさか、高校を休んで、外国の高校に短期留学に行くなんてさ、思いもしなかったよな。
どうせなら、夏休みとかに行きゃあよかったのに。
まあ、見知らぬ世界に飛び込んでさ、色々な出会いを通じてさ、今まで出会った事がない自分を、生きてて嬉しいぜって思える自分を見つけられたら、いいよなー。
まあまあ、俺は、寂しいけど。
ちゃんと俺の二次創作の話に耳を傾けてくれるの、栞太ぐらいだし。
いやまあ、ほかのやつも聞いてくれるけどさ。俺よりも騒いで聞くもんだから、逆に冷めちゃうっていうか。話す気が失せるっつーか。
うん。莫迦にしないで聴いてくれるんだから、贅沢な話なんだけど。
栞太ぐらいの静かさで聴いてくれる方が有り難いっつーか。
まったく興味なさそうだけどな。
そんでも聴いてくれるんだよ。
え?あ~はいはい。行くからもうちょっと待てって。
ん?あれ?俺、誰と話してたんだっけ?
なあなあ。俺、誰と話してた?え?
仙人風のひらひらした高級そうな着物を着た超絶美形で色っぽいお兄さん?
(2024.4.9)




