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80.すっごくいい
『記憶はまったくないんですけど、すごく迷惑をかけちゃったみたいなので。最後まで見届けたいんです』
ラフレシアの開花期間が数日だという知識を持っていたのだろう。
ラフレシアに勝手に入り込んで飛び回った記憶はあるらしい栞太は、ラフレシアにとても迷惑をかけたと落ち込んでいて、ラフレシアが枯れて死ぬまで見届けたいと願い出たのだ。
(なんて思い遣りのある素晴らしい少年なのでしょう)
姜芳は黒丸眼鏡の山に指を添えては、黒丸眼鏡を僅かに持ち上げた。
ともすれば、栞太の思い遣りの心に感激して、泣いてしまいそうだった。
(やる気を引きずり出す宝貝、導香の影響を受けている可能性が高いとはいえ、そもそもそのやる気は本人の身の内に隠れているもの。つまり、この篤い思い遣りは、修行へのひたむきな姿勢は、熱い心は、すべて)
いい。
すっごくいい。
仙界に勧誘したい。
一緒に仙界を守って盛り立ててほしい。
年をいくら積み重ねようとも、新鮮さを失わない事だろう。
篤い思い遣りも、修行へのひたむきな姿勢も、熱い心も。
そうして日々精進して、いずれは大仙人となって仙界を守り導いてくれるに違いない。
いい。すっごくいい。
(2024.4.7)




