75.修羅場
「「「………」」」
「あっはは」
常緑広葉樹の柘植、常緑針葉樹の一位、多肉植物のアロエ、常緑低木の梔子の花に囲まれているのは、世界で一番大きい花と謳われるラフレシア。
そのラフレシアの前に居るのは。
青白い顔でぐったり座り込む大仙人と、大仙人に抱き着きながら泣き喚く栞太であった。
栞太が人間の姿に戻っていた事は、まこと喜ぶべき事であったが、あの号泣は喜んでいるようには見えなかった。
「「「………」」」
「ほら。凍夜。僕の相棒に触らないで、と、大仙人に掴みかかりに行かないといけないではないか」
しゅーらーばっ。
しゅーらーばっ。
浮遊して背後から凍夜に抱き着いている九尾の妖狐が明るく囃し立てる。
無視だ、無視。
凍夜は大仙人と栞太に傍らに居る、姜芳と燧乎に近づいた。
九尾の妖狐を背負ったまま。
「どういう状況?」
「いえ。わたくしもよくはわからないのですが、宝貝、万花衣を使って異変が起こったラフレシアを無事に寝かせる事に成功したと喜んでいたら、何故か、大仙人と栞太が出てきまして。今から二人に事情を聞こうとしたところ、あなたが来たんですよ」
「そうなんだ」
凍夜は注意深く、大仙人と大仙人に抱き着いて号泣する栞太を見つめた。
とりあえず二人とも怪我をしていないようだとわかって、一安心したのであった。
(2024.4.6)




