64/165
65.誓い
凛矢は、人間と雪女の間に産まれた子であった。
甚だしい妖力を宿した子であったがゆえに、雪女の腹の中から出た途端、妖力を暴走させて、辺り一帯を凍らせてしまった。
幸い、母親である雪女がこの状況収拾に努めた結果、どの命も失わずに済んだのだが。
事態を重く見た妖怪界、人間界、仙界の長たちは、子の処遇を話し合った結果、仙界で預かる事となった。
月日と修行を重ねれば、この甚大な妖力を暴走させずに操作できるようになると、誰もが祈っていた。
けれど、子がどれだけ血肉骨を痛める修行を重ねたとて。
否。
闘争心の塊ともいえる子が、月日と修行を重ねれば重ねるほどに、妖力は増加し続けた。
加えて、仙界での修行で開花したのだろう、仙力もまた、増加し続けた。
暴走し続けた。
際限はない。
このままでは、子はおろか、人間界、妖怪界、仙界すべてが、消滅してしまうのではないか。
よからぬ思考が蔓延し続ける中。
仙界の長である大仙人に依頼されていた弩九が、妖怪と手を組んで、妖具を組み合わせた宝貝を開発した。
甚大な妖力と仙力を抑える為の、全身装着型の宝貝、雪だるまを。
いつか。
凛矢は誓った。
己に。
いつか必ず、この力を、思うままに使えるようになる。
いつか必ず、
九尾の妖狐と、その後継者を倒す。
(2024.4.3)




