表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
55/165

56.虧月




 妖具ようぐ虧月きげつ

 上品な甘い香りが優しく漂い、木材の風合いを生かした優雅でお洒落な意匠が施されている、本白檀を使用した白檀扇子。

 生物無生物に関わらず、己の意のままに操る。と、噂されている。

 噂だ。

 真実か嘘かはわからない。

 使用者は、九尾の妖狐だからだ。

 これを用いずとも、絶世の美男と謳われるその妖艶なる美貌に美躰、絶大なる妖力、お茶目な遊び心、極々稀に覗かせる残忍残虐な言動さえあれば、生物だろうが無生物だろうが魅了されて意のままに操れるはずだと、ごく一部を除く、ほとんどの者がそう思っているからだ。











 どうでもいい。

 そう思っていた。

 どうでもいい。

 後継者になんか、さらさら興味はないって言うのに。

 九尾の妖狐に魅惑されたみんなに後継者になってくれと押し付けられる。

 どうでもいいか。

 そう思った。

 どうせ、九尾の妖狐からは逃れられない。

 おもちゃよろしく、弄ばれて生命お終い。

 どうでもいい。

 どうでもいい。

 どうでも。

 意に従うのも面倒で。

 意に逆らうのも面倒で。

 何でもかんでも面倒で。

 どうでもいい。

 流されるままに生きて行こうって思っていたんだ。











(2024.3.31)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ