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48.水の形
もしも水が命と姿形を与えられたとしたら、きっと、この虎のようになるのではないだろうか。
皮も脂肪も筋肉も骨も内臓も流動的なのだ。
時に、荒々しく、力強く。
時に、静寂に、繊細に。
しなやかに、たおやかに、水が流れ続けるように、動き続ける。
動いていても、止まっていても。
ふさっふさのもふっもふのやわっやわのほかっほかの厚い毛の下は、水が流れている。
どの生物も、無論、水は流れているのだが、これほど顕著に命の源である水の流動を感じられる生物は、この虎以外には居ないのではないだろうか。
荊の背中に寝そべっていた栞太は真顔で強くそう感じた。
そして、もう一つ感じた。
この虎は、本当に遊びたい盛りなんだなあ。
宝貝、夕灯を使用して檻から、遥か昔に楚と暮らしていた家へと瞬間移動してきた荊は言ったのだ。
一緒に遊ぼう。
背中に乗る栞太と、そして、闇競売会場から一緒に連れて来た來凱に。
(2024.3.27)




