47.心槍
心槍。
槍の付喪神。
湾曲する鎌の刃のような海松色の髪の毛、青白い肌色、ひょろ長いのっぽ、よく仲間の妖怪からは、裏切りに裏切りを重ねているが何故か信用されてしまう小悪党感が漂っていると言われている通り、小悪党、悪党からは信用されてしまうが、好都合であって、この姿と雰囲気があって本当によかったと感謝している。
何故ならば。
人間界の闇競売が行われている場所にて。
「心槍。潜入捜査、ご苦労だったな」
「灼蛍。そなたこそ。また派手に突入してきたな」
「悪党のみであったら、今頃会場を破壊していたのだがな」
「おいおい。それでは余が巻き込まれるではないか」
「心配ない。貴様は何に巻き込まれても、なんやかんやで五体満足に生き残れるやつだ」
「有難い言葉、痛み入るが。余はそこまで実力のある妖怪ではないぞ」
「知らぬは己のみ、というやつだ」
「………そうかね」
人間界の捕吏が続々と入ってきて、ここに居た全員を捕縛していく様子を傍らに、潜入捜査をしていた心槍がこの組織の壊滅の為に手を組んでいた灼蛍と話す中、灼蛍が心槍に競売にかけられていた霊獣でもあり仙人でもある虎の居場所を尋ねると、心槍は答えた。
そなたの隣の位置する檻の中だ。
「おう。そうか………うん?」
灼蛍が身体を動かして檻を見ると、荊も栞太も居なかった。
「うん?」
(2024.3.27)




