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32.仙桃宮
仙桃宮。
淡い桃色の巨大な岩を掘って造られた、迷宮のような建物。
大仙人を含む実力のある限られた仙人と霊獣が、大事な話し合いをする際にここに集まる。
大仙人と紅鶴を含む霊獣たちの住居でもある。
「大仙人様はおられません」
鳥類の鶴に姿形は似ているが、白ではなく紅にその身を染める霊獣、紅鶴は、凍夜と、本来の小人の姿から巨大化して凍夜と同じ身長になり、同じく実物大になった睡眠中のポメラニアン化した栞太を抱える燧乎に言った。
「何でも、異世界の大仙人の集いに行くとか何とか仰って、そそくさと旅立ってゆきました」
「僕たちに怒られると思って逃げたんじゃないかな」
「いや。それはないと、思うぞ。うむ」
凍夜の発言を、燧乎は否定した。
少しだけ、自信がなさそうに。
(2024.3.21)




