第20話:激闘!延長戦へ
東京ドームのボルテージは、この日、最高潮のピークを超えていた。
ドリームチャンピオンシリーズ最終第7戦。勝った方が世界一、負ければすべてが泡と消える究極の舞台。
荒武者ジャパンの先発マウンドに上がるのは、中5日の山下由伸。そして、この日は若武健矢が3試合ぶりにマスクをかぶる。対するDWAの先発は、中6日でエース格のブローク・スナル。サイ・ヤンガー賞左腕の重厚な威圧感がマウンドから漂う。
この日の両軍のスターティングオーダーは以下の通りだ。
【夢の世界連合(DWA)・第7戦オーダー(先攻)】
1番(右)フォルナンド・タテスJr.
2番(中)ピート・クロウ=アーミー
3番(左)アール・ジャージ
4番(指)ケイル・シュワーブ
5番(一)フレッド・ハリーマン
6番(遊)ムーキー・ボッツ
7番(三)マノー・マチャダ
8番(捕)ウィリー・スマソン
9番(二)ザンド・ボガート
先発投手:ブローク・スナル
【荒武者ジャパン・第7戦オーダー(後攻)】
1番(中)伊達鷲一郎
2番(遊)猿飛英恵
3番(一)達摩厳
4番(三)達摩豪
5番(指)大滝翔平
6番(左)銭形豹馬
7番(右)佐藤照明
8番(二)真木秀悟
9番(捕)若武健矢
先発投手:山下由伸
試合は初回から、世界最高峰の打者たちが牙を剥く。
1回表、DWAは3番・ジャージの豪快なツーランホームランでいきなり先制。その後も両者一歩も譲らない緊迫した序盤戦が展開される。
試合が大きく動いたのは、スコアを2点リードされた中盤の5回裏だった。
この回の先頭は、打順よく巡ってきた4番・達摩豪。
「ここから流れを引き戻すで!」
スナルの投じた甘い変化球を豪快に振り抜いた打球は、レフト線を鋭く破るツーベースヒット! チームに勢いをもたらす。
続く5番・大滝翔平が冷静に四球を選んでチャンスを広げると、打席には6番・銭形豹馬が入る。
「よし、先輩たちの作ったチャンス、俺が泥臭く返してやるよ!」
豹馬が執念で転がした打球は内野安打となり、相手守備の乱れも重なって塁上のランナーが一気に生還! 荒武者ジャパンが2-2と同点に追いつく。
そこからはまさに、一歩も引かない激しい点のシーソーゲームとなった。
DWAが長打で突き放せば、荒武者ジャパンも下位打線の粘りで食らいつく。そして、両チームの投手陣にも小刻みな継投。正に総力戦。どちらが主導権を握るのか誰にも分からないまま、スコアボードには「5-5」の数字が刻まれ、ついに試合は息詰まる延長戦へと突入した。
そして迎えた延長10回表。
緊迫の極限状態の中、荒武者ベンチがどよめきに包まれる。ブルペンから歩み寄ってきた背番号「17」の姿に、スタンドのファンが息を呑んだ。
『信じられない光景が飛び込んできました! なんと荒武者ジャパン、昨日(第6戦)の試合で歴史的な完全試合を達成したばかりのエース・銭形豹馬が、連投でマウンドに向かいます……!!』
疲労など微塵も感じさせない鋭い眼光を宿し、豹馬がマウンドへと登る。
前日の快投の余韻が冷めやらぬ中、連日の力投を託された背番号17が、世界一をかけた最終局面でDWAの強力打線に立ち向かう――!
(第21話へ続く)




