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ゲネプロ  作者: 真鍋
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タイトル未定2026/05/11 02:57

 少女は救急車で運ばれて行った医者の見立では熱にやられただけで火傷は軽度、呼吸器にも問題はなかった直ぐに回復するであろうと言われ安堵の息が漏れた、そこに不満気と言うか納得いかない多分私と同じ心持ちの佐久間達が指揮所へ戻ってきた。


「道明寺無事だったか心配したぞ」


 佐久間の言葉に私はヘルメットの耳の部分をコツコツと指で突いた、皆、不思議と無口であった当然だ私は鎮火の瞬間を見てないが皆は消火活動中に遭遇しているはずだ衝撃は私より上であろう、私は指揮所のパイプ椅子に浅く座ると前のめりに膝を抱えた。


「あっ申し訳ありません失礼します、私は晶の兄で清井薫と申します晶がいつもお世話になっているようで」


 指揮所へ兄が挨拶へ現れると皆は一斉に兄を見つめ驚いていた、私はプライベートな事は一切話していない、手間が省けたちょうどいい根掘り葉掘りこの場で話してくれ兄貴、そうして貰えると助かるよ私は大きなため息をついた、指揮所の端で佐久間と兄が話し込んでいた詳しい内容はわからないが端々に社会の授業で習うようなワードが散りばめられていた、そう言えば兄はコンサルを辞めたと聞いた今はどうやって生活しているのか、あの2人と(つる)み良からぬ事をしているのか2人の風体はどうにも怪しかった私はパイプ椅子から腰を上げ2人へ近付いた。


「道明寺、お前のお兄様は厚生労働省の仕事を請け負ってられるそうじゃないか何でそんな重要な事を言わない」


 佐久間が私に気付くと声を掛けてきた、その顔は綻び上層を常に意識している佐久間らしいいやらしい笑顔であった、しかし佐久間、残念ながら兄の言う事は嘘だ兄の防火服を脱いだ姿を見てわからないのかと苦笑いが浮かぶ確かに兄はキレ者で上に立てばその能力を遺憾なく発揮するだろうが悲しいかな人が良過ぎるのだ伏魔殿のような政治の世界で兄などは散々利用されて棄てられるのがオチなのだ。


「では佐久間さん晶の事をよろしくお願いします、私は上司に報告がありますのでこれで」


 兄は佐久間に挨拶をすると指揮所を出て行った、私は急ぎヘルメットを装着した、上司に何を報告すると言うのだ、もしその上司が本当に存在して兄が何を報告するのか聞いてやろうじゃないか内容によってはこの場で兄を正さなくては私は兄の後ろ姿をマークした。

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