タイトル未定2026/05/24 11:16
根は短く少ない、よって地中からの栄養吸収は望めない反面、生物を捕らえそれを栄養分として成長する事でどんなに痩せた土壌でも育つ食虫植物、この植物はその性質からどの様な環境でも育ち、且つセキュリティもこなす植物の存在意義とはかけ離れていた、しかもセキュリティはこなすものの栽培者と侵入者の区別はつかないと言う栽培するならば常に鉈は携帯しておくべきだと冗談ともつかないトーンの声がスピーカーから流れてくる、私は無言で天井を指差す。
「これが霧島博士です」
清井がそう教えてくれた、前を行く裕二と真依は回廊には既におらずしばらく歩くと地階へ向かう階段があり奥から楽しげに理解不能な言語が聞こえてきた、私は地階を指差すと清井は頷いた。
階段を降りると地階は廃病院から一転、ラボ施設の装いで眩しい程の光に包まれ床はグレーチングで配管やケーブルが所狭しと並んでいるのが見えた、廊下の突き当たりはラボらしくエアシャワールームだろうか先に行った裕二と真依が扉を潜るとインターロック制御で扉の間に閉じ込められる形になった、手間を取らせる我々を待てばこうして無駄な時間を排除できると言うのに私は最初のガラス扉の前で舌打ちをした、中では真依の髪がエアシャワーで吹き上げられそれに驚いたのか真依は裕二に抱きついたのだ、いやいやいや待て待てお前にそんな一面があったとは驚きだ、私は何にムカついているのだ真依は私の娘でも何でもないと言うのにこれでは娘の彼氏を初めて見た父親ではないか全く中身は子供と思っていたがやはり20代も半ばにもなれば当然なのだろうか、いや遅い位であろうか恥ずかしい話私もよく知らないのだ、続いて2人はレーザー照射を受けていた、このタイプは初めて目にする確かにクリーンルーム入室の際はクリーンスーツを着るのだが着替える事なく入室する為の処置だろうかそのまま焼き殺される事なく2人は仲睦まじく室内へ入って行った、続いて我々3人であったがどう考えてもシャワールームの量と3人の量が合わない特に獣の量はどう考えても1人でやっとであった。
「ええで、先にお行きや」
そこら辺は獣と言えどもわきまえていた清井と2人黙ってシャワールームへ入ると後ろの扉が閉まる、すると獣は閉ざされた扉のガラス面に顔をつけるとニヤケ顔でこちらを見ていた、大体想像がついた裕二と真依の真似をしろと言う事だろう、やはり獣は獣である私がそんな事をするタイプに見えるのだろうか、しかし清井に同じ事をしてコイツの反応を見るのも一興ではあるがやはり獣の期待に応えるのは癪に触る私は終始微動だにせず全面の扉が開くのを待った。




