タイトル未定2026/05/19 11:31
僕は兄貴に断りを入れ胸に刀の鋒をあてると一気に突き刺した、同時に背後からは低い呻き声が当然あがる、敵わぬとなれば弱い者を人質に主導権を取る、どの世界にも下衆な連中はいるものだと感心したいがこれが結構痛いのだ、しかし僕を弱者と思う辺りコイツは末端の者だろう、僕は息を吐き出すと刀を抜いた動脈静脈は外していたが肺は貫通している暫く煙草はやめておこう僕は立ち上がり背後で両膝をつく敵の頸に刃を当てがう、多分この姿も傀儡だろう大方地球人を乗っ取っているとは思う、連中は肉体を持たない意識体である当然次なる行動はこの身体を放棄して何処かへ跳ぶつもりだろうがそれをこの刀は許さない僕はなるべくこの身体が傷付かぬ様に男の肩口に刀を突き刺すビクッと身体が揺れたかと思うと段々にそれは激しくなる、止めてくれこれ以上その身体を傷付けさせないでくれと柄から手を離し男の髪を鷲掴みすると『動くな』と凄んだ意識体に異物が進入してくる経験など初めてだろう仕方ないとは思うがそれはお前らの認識不足この刀は意識体すら容易に斬れる原理は博士に聞いてくれ僕は知らないが峰には返しが刻まれており一度捕らえた獲物は逃がさない、であるから今更ながら自分を傷付けるのはなるべく避けておくべきであると言いたいのだ。
「裕二捕らえたかぁ」
「はい、でっどうします、拷問して色々吐かせますか?」
「薫に聞いてみよかぁ」
僕はなるべくこの人の回復を早める為にも慎重に刀を抜いた、まぁそれでも傷痕はしっかり残るだろう記憶にない傷、しかし記憶があるより幸いだろう害星人の行動、ただそれを傍観するしかなかった己、その狭間で残りの人生を生き抜けるだけの強い精神、屈強な人物なら良いが一般人なら確実にPTSDを発症するだろう、ある意味それは害星人の優しさだろうか、いや元の人格や意識は行動を阻害される恐れがあるからであろう害星人は究極に合理的なのだ忖度などは一切しない目的に対し最短最速で向かう今の地球人とは決して相容れないだろう、当たり前だ笑える地球人同士でも相容れないのだから。




