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元魔王の異世界冒険譚  作者: Undo
第二章 転生と出会い
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はじめてのともだち 1

「その子を離せ!」


背後から男の怒号が聞こえた。


視線を送ると、若い男が手に小振りの剣を構え、険しい顔で此方を見ていた。


歳の頃は15、6、背中に身の丈ほどの大剣を背負い、使い古された革の具足を身につけた赤髪の青年だった。


「待ってろ!今助けてやるから!!」

一気呵成に青年は手にした剣を振り上げる、此方に詰め寄ってくる。


「テン、やめよ」

応戦しようとするテンに小声で命ずる。


応戦することはない。


こんな足場の悪いところで、急に走ると……

「っととっ…うわっっ!!!」


言わんことはない。


見たところ手入れを怠った革の靴。

ぬかるみか木の根に足を取られ、一度は堪えたものの、そのまま顔から盛大に転んだ。


「くそぉ…」

「何やってんのよ、アッシュ」


鼻血を垂らし、涙目の青年の後ろから別の声が聞こえた。

声の主は若い女、歳の頃は青年と同じ15、6、所々に金銀糸の刺繍が施された深緑の外套を纏った金髪の女性。青い石が着いた長い杖を携えている。


見るからに戦士と魔法使いといった出立ちの2人。

身につける装備が古臭い。

手にした剣と杖は、良く言えば年季が入っているし、服には所々に繕った跡が見える。

身のこなしもまだまだ甘いな。


駆け出しの冒険者だな。

さて、


「いきなり飛び出してどうするのよ」

「でも、子どもがスライムに襲われて……」

アッシュと呼ばれた男が抵抗しようとするのを無視し、此方に視線を送る魔法使いの女。

「あれが?襲われてるって?」


呆れた様子でアッシュに問いかける。

それもそのはず、今の俺様はテンの上でうつ伏せになって2人を観察している。

テンは俺様を乗せた状態でプルプルと震えているだけ。


「あ、あれ?」

「アンタはねぇ…早とちりで飛び出すなっていっつも言ってるでしょ」

「で、でもエリス…あれスライム、魔物だし…」


2人の視線が俺様に注がられる。

さて、どうしたものか…


方や困惑と心配の表情、方や疑惑と警戒の表情を写している。

適当にやり過ごそうか…

いや…ここは…


「やめて!」

声を上げ、テンの頭からずり落ちるように、降りてみせる。

身体から地面に落ちたので、少し痛いな…


剣と杖を身構える2人。


立ち上がり、テンの前に立って両腕を広げて見せる。


「この子は、テンは悪いスライムじゃないよ」

「ボクの友だちなんだ、だから…苛めないで!」


少し涙目になって訴えてみせる。


冒険者の2人はポカンと口を開け呆けている。


やれやれ…小っ恥ずかしいが仕方ないか。


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