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元魔王の異世界冒険譚  作者: Undo
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魔王の交渉1

「話とは?」


面前にこの世界の主神格である三神。


没落したまた魔王と凛々しい顔つきであるが、肩から下がガックガックに震えている我が君。

先ほどの気概はどこへやらだな、まったく。


「何が望みなのかな?」


ギルベルトが問いかける。

……流石は格上の神だな。

だが、


「望み?なんのことか」

「ただ、我が君の事を慮っての考案にすぎんさ」


「嘘」


ピシャリと言葉を遮られた。

聞いたことのない声だった。


視線を向ける。

中央に座するニュークリアの横にいる神。

六対の目を持つ青白い肌の神だ。


「あなたの言葉、大まかに筋は通っていた」

「ただ、今の発言は嘘」

「ヘスティアに対する畏敬の念は皆無」

「軽蔑?いや興味…」

「観察……あぁ珍種の発見ね」


「え?」


つらつらと申し述べる。

傍らの我が君がこっちを見てくる。


「他の思惑があるのでしょう」


六眼の神が続ける。

ジッと俺様を観る。

視線が奥底まで突き刺さる感覚だった。


「交渉したいのでしょう。私たちと」


ふむ。

ここまで、はっきり言い当てられるとは面白いな。

心を読む権能か?いや、見通すチカラか…

で、あるならば…


「ああ、交渉は彼らとしてね」

「そういうのはどうでもいいから」


…そう言うと、まるで興味をなくし、今は爪の具合を見ている。

ギルベルトらに視線を移した。

ギルベルトは笑っていた。

ニュークリアはこちらを睨んでいる。


我が君はなんか知らんが、驚いている。

本当になんか知らんけど。


なんだコイツら…


「さてと…よく笑わさせてもらったところで」


「キミの狙いを聞こうじゃないか」


狙いか。

決まっている。

「公平でないからだよ」


三神プラスヘスティアに疑問符が浮かぶ。


「代表は3人まで」

「俺様が3人分を1人で担うというだけの話だ」


目を見開く三神たち。

自然と圧が強まるのを肌で感じる


さすが…気がついたか


思わず笑みが溢れる。


焦るな…

急ぐ必要はない。

こういうものは、刃と同じだ。

少しだけ、切先を見せるだけで相手が想像してくれる。

相手が賢くあるほど、力があるものほどな…


「不足分を補う」


口角が自然と釣り上がる。


「…ただこれだけのことよ…」


言い終わる前に玉座の中央の圧が爆発する。


「その戯言が…」


ニュークリアの瞳が金色に輝き睨みつけてくる。


「まさか、通るとは思っておらんだろうな」


……ふむ。

ここで、コイツが反応するのか。

秩序かの逸脱に対する憤慨といったところか。


そこまで怒らんでもいいとは思うが…

此奴の意義であるならば仕方ないか…

傍らの我が君は、女神とは思えん顔で凍りついている。


「戯言?」


そうだとニュークリアが続ける。


「選定者に1人につき1人の加護と能力の付与」

「選定者が1人のみはそこなヘスティアの落ち度」

「長年続いた儀式にある例外につき、貴様らが釈明することが道理」

「決定の儀は我らにあると心得よ」


今にも縛り上げるのではないかとの剣幕。

ヘスティアもバツが悪そうに縮こまっている。


まぁ気にするな…

半分どころか、九割九分お前のせいだからな。


しかし、ニュークリア。

名のある闘神であろう。

かなりの迫力であるな。


ただ、相手が悪い


「戯言とはどちらの方かな?」


何っ?と反論するも構わず続けよう。


「此方は貴様らのルールに沿った提案をしただけだ」

「俺様の主張が間違っているとは思えんな」

「一柱に対して与えられているのは、3名の代表者に対する一つづつの加護など」

「つまり、合計3つの加護を与えることが出来ると解釈することが、おかしいか?」


うぅと唸るニュークリア。


多分おかしいだろう。

普通に考えれば、道理ではない。

しかし、規則にも詳細は書いていない。

つまり、


「制度のグレー部分をついてきたってわけか」


やはりコイツか。


神や悪魔は契約に忠実だ。

神が神であればあるほどに…


このまま押し切ろうと思ったが…ギルベルト。

コイツは少し厄介だな。


さて、ここからだな

















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