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第十八話 腹黒令嬢は人形剣士を問いただす

シュヴェアートが人形剣士と呼ばれる程に感情を出さない理由は生まれ育った環境にある、と気付いたシャイデ。

意を決してシュヴェアートに問いかけますが……?


どうぞお楽しみください。

 部屋を出た私はシュヴェアートの元へと急ぐ。

 この話の内容によっては、私は王宮を去る事になるかもしれない。

 モイスヒェンに見下されるのを思うと、若干腹立たしい。

 だけどこれを知らないままにする訳にはいかない。

 意を決したところで廊下を曲がり、陛下の執務室の前にたどり着いた。

 シュヴェアートは変わらずそこに立っていた。


「シャイデ様。何か御用ですか」

「はい。レーレ卿に伺いたい事があって参りました」

「何でしょう」

「レーレ卿は子どもの頃、どのように過ごされていたのですか……?」

「子どもの頃ですか」


 ……表情は変わらない。


「剣の修行、王宮での言葉遣いや礼儀作法、そしてシルト陛下にお仕えする事の意味を教わっておりました」

「……! では、その、遊んだり楽しんだりした事は……?」

「経験しておりません」

「……っ」


 やはり子どもの頃から陛下に仕える事を強要されていた……。

 しかも何というあっさりとした物言い……。

 怒りや苦痛を感じていない……。

 物心つくかつかないかの内からそうやって育てられたのだ……。


「……お食事をあまり取られないのもその為ですか……?」

「はい。シルト陛下の毒見役としての分以外は、ご厚意を頂いても丁重に辞するよう教わっております」

「……では私の差し入れを召し上がってくださるのは何故ですの……?」

「晩餐会の日、シルト陛下が『婚約したならば家族だ。家族の差し出すものを断る必要はない』と仰られましたからです」

「……!」


 何もかも親と、親が全てを投げ打って仕えよと言った陛下に従うだけ……。

 きっと陛下の言った『家族』の意味さえも、十分に理解していないのだろう。

 それに不満どころか疑問もなく、ただただ言われた通りに生きる人生……。

 見過ごせない……!


「……私がレーレ卿に差し出すものは、お断りにならないのですわね?」

「はい」

「それでは今後色々なものをお持ちいたしますが、よろしいですか?」

「はい」


 よーし。

 さっきの話の中で聞いた陛下の言葉から考えると、陛下もシュヴェアートの現状を変えようと考えているのだろう。

 たまたまだろうけど、それならば私はうってつけだ

 モイスヒェンやフェストが生まれてから、退屈しないよう不自由しないよう、あれこれ頑張った。

 そのお陰で、領地で大人に仕事をお願いした後、気兼ねなく働けるよう、子ども達の面倒を見るのも得意になった。

 一人ぼっちの子や、周りと馴染めない子、どう遊んでいいか分からない子などを、何人も笑顔にしてきたのだ。

 きっとシュヴェアートも笑顔にしてみせる!

 そしてその功績で王妃の座を!

読了ありがとうございます。


感情のない男の世話を甲斐甲斐しくする女の子の話。

その前フリで十八話もかかるなんて……。

ここからが本番です。


次話もよろしくお願いいたします。

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