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第17話

 違うんです! マウントとろうとかしてません! オーウェンはそんな周りくどい言い方する人間じゃないんですぅぅぅぅ! これはなんとかしなくては、私達の命が危ない!


 しかし明る過ぎるオーウェンは、殿下が醸し出す不穏な空気に微塵も気がつくこともなく、殿下の側へにじり寄り、なにやら耳打ちする。


 オーウェン危なァァァ殺られるよ!?


「殿下・・。クローディアのやつが自分から他人の事を誘うなんて、子供の頃から知ってますけど、初めてですよ。これはあいつ結構、殿下に惚れてますぜ・・」


『え?』


 私と殿下の声が重なった。


「それにこいつ、殿下から貰ったタンポポをわざわざ押し花にしてまして。タンポポをですよ? かわいくないっすか?」


 な────・・


「オーウェン!! もういいから、あっちに行ってて!」


 全部聞こえてるから! 殿下になに余計な事を・・私は殿下の事好きとかそんなんじゃなくて、この国に厄災が降りかかるからってシルフィ様に言われて仕方なくっ・・!


 顔がめちゃくちゃ熱くて、身体から変な汗が吹き出した。慌ててオーウェンを殿下から引き離す。だけど殿下が・・


「・・本当か? クローディア」


 僅かな驚きの色を纏って、まっすぐにこちらへと向けられた黒曜石の瞳。その瞳に射すくめられ、私は嘘がつけなくなってしまって。だって嘘か本当かと問われれば、それは本当の事で。


「・・はい。・・殿下のお気持ちが・・嬉しかった・・もので・・」


 めちゃくちゃ小さい、最後の方はもう消え入りそうな声で、そう答えた。

 は・・恥ずかしい。消えたい。顔あつい。


 沈黙を破ったのはオーウェンの言葉だった。


「・・んじゃ、俺はそろそろ、退散しますかぁ♡」


 オーウェンはそう言って立ち上がると、殿下に向けビシっとした敬礼を向けた。


「ユリウス殿下! 俺、二人の事を全力で応援してますんで、俺にできる事があったら何でも言って下さい! どうぞこれからも妹の事をよろしくお願いします!」


【妹・・?】


 流れ込んできたユリウス殿下の心の声に、羞恥心で失いかけていた我を取り戻した。これはもしかして・・オーウェンの処刑を免れるチャンスですか・・?


「家同士の交流が盛んであったため、オーウェンと私は幼い頃から兄弟の様に育ちました。私も彼の事は、本当の兄と思い慕っております」


 事実であるし、私はすかさず、殿下にそう進言した。すると再び、私の脳内に殿下の声が響いてくる。


【そうなのか。てっきり二人は好き合っていると思っていたが、これは家族愛に近いものなのか・・?】


 そうですよ殿下。私達の間には後ろ暗い事など何もありません。彼を排除する必要なんてそもそも無いんです。


【ていうかオーウェン、もしかして結構良い奴なのか? それにクローディアが、俺の渡した花をそんなに大事にしてくれていたなんて・・。好かれる努力ってやつをしなければならないと思って勇気を出してみたが、どうやら正解だったらしい。ああ、なんだかとても、幸せな気持ちだ。嬉しすぎる・・】


 私はほっとしてつい、口元を綻ばせた。


 シルフィ様。どうやらなんとか、オーウェンの処刑は免れそうです。少しずつですが一歩ずつ、殿下の心を溶かしていけたら良い。


 そんな風に、思っていたのに────。



【嬉しすぎて────なんか勃起しそう】



 男子の思考回路異次元すぎぃぃぃぃ!!??


 しばらくして殿下はお手洗いへと消えて行きました。その後私はしばらく、お手洗いへ向かう男子がなんだか卑猥に見えてしまうという症状に苛まれたのでした・・。





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うれションみたいなもんすねw

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