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第8話 暴君の微笑とカミノ・ソンブリアドの灰

「ほう? 幼いガキか」騎士の一人が、好奇心と蔑みが混ざったような視線で俺を観察しながら言った。


俺は即座に足を止めた。呼吸は浅く激しく、胸はまだ傷と疾走の疲労で焼けるように痛んでいた。一言も発しなかったが、俺の目は状況を分析し続けていた。彼らの鎧に注目した。そのすべてに、金属に刻まれた威圧的な紋章があった。


(この紋章……王立帝国のものだ。きっと異変を察知して、助けに来てくれたんだ)

絶望の中で、一筋の希望を感じながら俺は考えた。


「お前は何者だ、小僧? こんな森の中で一人で何をしていやがる」グループのリーダー格と思われる騎士が尋ねた。他の二人とは違い、彼の鎧は黒く、磨き上げられた黒銀でできていた。身長は195センチほどと高く、逞しい肩幅と剛腕がその怪力を物語っていた。彼は、歴戦の戦士だけが持つ強力なオーラを放っていた。


彼がこちらに歩み寄ってきた。他の騎士の一人が、金属音を立てて剣を抜いた。

「さっさと喋れ、ガキ! それともここで消されたいか?」兵士が苛立たしげに聞いた。


こちらへ向かってくる指揮官は、部下に手で静かに制止の合図を送った。

「しかし指揮官、こいつは……」兵士が抗議しようとした。


「静かにしろ」リーダーが冷徹な声で命じた。彼は俺の前で足を止めた。「俺の名はカミ、王立帝国騎士団の指揮官だ。でお前は、誰だ?」


「俺の名前はタイトです。この先の村に住んでいます」俺は声の震えを隠そうとしながら、内気な態度を装って答えた。


カミは、危機に瀕した村を救援せよとの命を受けて来たと説明した。俺は一瞬安堵し、村へと歩きながら、これまでに起きたすべてを話した。クリフのこと、ナオキとの死闘、そして魔物たちの組織的な襲撃について。


数分後、騎士の一人がリーダーに合図を送った。

「指揮官、前方に村が見えます」


カミは、どこか捕食者のような、不気味な笑みを浮かべた。

「あいつにはもう何もできん、安心しろ……」指揮官が呟いた。


俺は歩みを緩めた。胸のざわつきが、ついに確信的な警告へと変わった。

「『あいつ』って誰のことですか、指揮官殿? 何の話をしているんですか?」俺は背筋に冷たいものが走るのを感じながら問いかけた。


「来い、坊主。村まで行けば、お前のその目で見ることになるさ……」


歩き続け、村の入り口を越えた瞬間、俺の目は見開かれ、心臓が止まるかと思った。そこにあったのは、惨劇の跡だった。焼かれた家々からはまだ煙が立ち上り、見知った顔の村人たちが冷たい地面に横たわっている。広場の中央では、女や子供たちが家畜のように鎖で繋がれていた。


「なっ……これは、一体どういうことだ!?」俺は叫び、振り返った。


二人の騎士はすでに剣を抜き、俺を挟み撃ちにしていた。目の前では、カミがあの嘲笑を浮かべたまま立っていた。


「嘘だったのか? 助けに来たんじゃないのかよ!」裏切りの事実に、俺は殴られたような衝撃を受けた。


カミは何も答えず、俺の腹部に強烈な一撃を叩き込んだ。肺から空気が漏れ出し、俺は膝をついた。視界が瞬時に歪む。反応する間もなく、硬い地面が顔に当たるのを感じた。


「学んだか? 情報ってのはこうやって引き出すもんだ」カミは部下たちに、自慢げに言い放った。「聞いて答えなきゃ、力ずくで奪い取れ。このガキは全部自分から喋ってくれたがな」


俺は手早く縛り上げられた。地面に這いつくばり、顔を土に押し付けられた状態で、俺は口の中に広がる血の鉄の味を感じながら、次に何が起きるのかを見守るしかなかった。


一人の人物がカミの方へ歩いてきた。他の騎士たちが直立不動になった様子から、相当な重要人物であることが分かった。彼は二人の精鋭護衛を連れていた。


「戻ったか、カミ。何が分かった?」その人物が尋ねた。


カミと他の二人の騎士は、即座に膝をついて臣下の礼をとった。

「グレッグ王、陛下」


その人物は深紅のマントを纏っていた。髪は銀色に黒が混じり、身長は181センチほど。太っても痩せてもいない中肉中背で、25歳から40歳の間のように見えたが、その目は……退屈した捕食者のそれだった。


「陛下、状況が判明しました。あの元ベテランが、ナオキが瘴気の石を使って召喚した魔物どもを殲滅しようとして、森であの禁忌魔法を使ったようです」カミが説明した。


「なるほど……クリフは本当に行使したか」グレッグは、疲れとも満足とも取れる溜め息を漏らした。「予測通りだ。だからこそナオキを送り込み、戦場を森へ引きずり込めと命じたのだ。しかし、この近辺の村の中で、ここを落とすのが一番骨が折れたな」


「同感です、陛下。実に手間取りました」カミが答えた。「途中でナオキを失いました。有望な男でしたが、殺すか殺されるかの世界ですからな。仕方のないことです」


「ナオキは良い駒だったが、代わりはいくらでもいる。後で適当な奴を据えておけ」グレッグは、俺を戦慄させるほどの冷酷さで言い放った。


(……あいつらが全部仕組んでたのか。帝国の王自らが、自分の民の虐殺を。一体何が目的なんだ?)俺は押し潰されそうな疲労感の中で考えた。(どうでもいいか……どうせ俺も、あいつらと一緒に殺されるんだろうしな)


カミが俺のところへ来ると、片手で髪を掴んで引きずり起こした。

「陛下、こいつはどうします? 連れて行きますか、それともここで消しますか?」


グレッグが俺を見た。彼の視線は、まるで興味深い虫を見るように俺の顔を舐め回した。

「このガキは誰だ?」


「ああ、失礼しました陛下。森での出来事を詳しく話してくれたガキです」カミが説明した。


「ふむ……連れて行け。必要なくなれば殺せばいい」グレッグは興味を失ったように背を向け、豪華な馬車へと乗り込んだ。


「御意、陛下」


カミは最後にもう一度俺を見た。そして何の前触れもなく、掌の付け根で俺のうなじを強打した。意識は瞬時に闇へと沈んでいった。


第8話 終わり

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