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treasure seeker  作者: 草葉 影野
《過去編》04 遠き日の面影見ゆる時のまにまに
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《過去編》 4-6 叙説 スタン その1

オレ様最強! なスタンの人類種評(※あくまで個人的見解です※)な話。

06.叙説 シュターニスラウス・オーベルシュタイン その1


 オレ様が、リョウヤの里帰りに同行したのには理由がある。

 実のところ、忍者の操る『気』……。それがどういうメカニズムで放出されるエネルギーなのかに大変興味が有るからに他ならない。

 ……ん? 何だって? 『精霊魔法』は、いいのかって?

 いいんだよ。俺が完璧に出来ることを今更研究したって進歩する事は何にもありゃしねえんだからな。

 え? 自信過剰だぁ? ぶわぁーか。今現在オレ様に並ぶような術者がそうそう居てたまっかっての。

 そもそもだなぁ、オレ様がなんでガキのカッコして……いや、そんな事はまぁいいや。

 ともかく、偉そうに聞こえようが本当にそうなんだから納得しとけって。

 実際、忍者組織の本拠地ってトコに行ってすぐに向こうから接触してきたんだぜ?

 で、オレ様は次の日には研究施設へ招かれた。


 しっかし……ありゃ、ちょっと、とんでもねぇな。

 忍者独自の精神鍛錬によって生み出される、『気』と呼ばれる物理現象を伴う精神エネルギー。

 いやぁ、オレ様にはあんな努力の結晶みてぇなマネ、ぜってー出来ねーけどよ。

 ……ホントにすげえ。

 こんなモンがもし、世間一般に普及でもしてみろ? へなちょこな魔法使いやPSY能力者なんてお呼びじゃなくなるぜ。

 と、一瞬そんなことも脳裏によぎったが、忍者の血統の因果が大きく作用しているが故の能力でもあるわけで。『初級魔法』みてーに誰でも彼でもが修得出来るって代物でもない。


 ……忘れてた。そーいやそれすら出来ねーガキがウチに居るんだった。ったく、『魔法』が出来ねーにも程があるぜ、ウチのガキはよぉ。オレ様のように溢れんばかりの素質が無いのは分かるけどな。


 おおっと、話がそれちまった。ええっと何だったっけ?

 ……そうそう、『気』だ、『気』。



 遙か昔の人間の中には、結構な数で今の忍者と同じ位に『気』を操る事が出来るヤツらが居たって話だ。もしそれがホントなら、人間って生物は、時とともに緩やかにだが、しかし着実に退化の道を歩いて行ってるって事を意味しやしないか?

 こんな事を言うと、よくシェリルなんかには笑い飛ばされるんだけどな。

 他人より、ほんの少し長いオレ様の人生の中で、『人間』が進歩したって感覚は、これっぽっちもありゃしねぇ。そりゃあ、新たな技術を創り出したりとか、再生医療なんかっていうモノの進歩は有る意味めざましいと思っている。


 しかし、だ。生物の種としての『人間』としては……進歩しているだろうか?

 肉体的にも、精神的にも、研ぎ澄まされたモノを持つのはオレ様の様な突然変異か、忍者のように因縁に縛られる代償なんていう連中しか、お目に掛かった事がない。

 つまり、ほんの一握りしか居ないってこった。

 それは単にオレ様の勉強不足なだけなのかも知れないが、時々な、酷く不安になるもんなんだ。


 『人間』って生物は、『何処』へ行こうとしているのか?


 いつまで経っても『人間』は、同族同士での殺し合い……戦争っつー不毛な行為を止めることが出来ないでいる。そしてそれはこれからも続いていくのだろう……。


 オレ様は……別に宗教にかぶれている訳ではないので、神や仏なんていう名前の都合の良いスーパーマンの存在は小指の先程も信じちゃいないんだが。

 いわゆる、性悪論者ではある。元々、どっかの古代宗教かなんかからの出典らしいが、その説自体の起源には全然興味がないのでキレイさっぱり忘れちまったけれど。

 で、同じ出典らしい説にこうある。

 人間は、生まれながらに『罪』を背負って生まれてくるのだという。

 どんな罪だったかは詳しく覚えちゃいないがそれを『原罪』と言うのだそうだ。


 『原罪』。うぅ~ん、なんてオレ様好みの言葉なんだろう。ああ、いや、オレ様の好みなんてどうでも良いんだけどよ。 果たして『人間』と呼ばれる生物の行き着く先には何が待ち受けているのだろうか?

 破滅なのか、それとも新たなる進化の一歩なのか。……今はまだ、闇の中だ。

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