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21、千三百五十日前。 資料(部外秘)。
三年と八カ月前。
千二百万を超える因子の中から被験体は約二十五万に絞られ、混合操作が行われた。
第七課による公文書は述べている。
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『二十五万二千八十四体に及ぶ被験体のうち、成長可能な六体を選別。人型遺伝子と爬虫綱遺伝子二種の混合による制御は困難を極めるも、成功例二体検出。遺憾ながら、内一体は成長過程の十四日目に当初の算定を外れ、精神に異常を来した為、排除。
最後の一体が当初予測通りの経過を辿り、これを正式に実験体二十八号として成長促進剤を五百二回に渡り投与。
現在の身長、一メートル七十五。体重、六十三キログラム。
身体能力特段に優秀にして、思考面では特に大脳皮質の成長制御に際立った成果が見られ、比較対象となるホモ・サピエンスとの思考力照合において八十二点台の高い数値を記録。言語を解しヒトの行動をも解するに至る。情緒面の発達に著しい遅れあるも、この点は当初計画通り。
今後の措置として、ペットネームの命名等、具体的かつ文化的な教育環境の整備が必要。
六週間後、武器携行による訓練を実施予定』




