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20、二月九日、午前七時十六分。 ジャグス。
地上では、ベネシュが額に手を当てながら二体のやりとりを聞いていた。
「ジャグス、おまえのほうがおしゃべりだぞ。奴の話を引き出すことを考えろ」
「まぁ待ちなって」ジャグスがささやく。
白煙は、いまや坑内の隅々まで覆っている。
「奴は動く気配がねぇ。こっちの出方を見てやがる」
「いま、思い出したぞ」ラルジャンは二人の会話をさえぎった。「警察庁公安第七課には突然変異種の化け物が数匹、飼われているそうだな」
プライド。
「飼われている」と言われたジャグスは、反射的に反発し、俺にもなんらかのプライドがあるのだろうかと思いながら煙の奥に言葉を返した。プライドだって? 俺にはなんの誇りがある? 必要のないもの。自尊心などというつまらない己に対するこだわり。執着。俺はいま、あるはずがないと思っていた自分の自尊心とやらを傷つけられて、苛ついているのだろうか?
「所属している、と言ってほしいね」
喉を掻きながら応える。ジャグスは自分の中に芽生えつつある奇妙な「感情」に戸惑っていた。




