異世界人 【2】
「嗅覚なんかの能力を持った魔導師が、周りとは違う私達の匂いを嗅ぎ付けるんだろうな。それから、散々に現れる怪物を誘き寄せてるのが私達だってバレる。そしたら、私達はこの世界の人達にとって、敵だ」
「戦いを起こさせてるんだからね」と、リサは窓の外を見た。
「でもアイリのお母さんは、俺が異世界人だって知っても怒らなかった」
「怪物を誘き寄せてるのが私達異世界人だってことは、魔導師じゃないと知る人は少ないと思う」
「それって、ヤバイじゃん」
「うん、ヤバイ」
変わらないジト目で無表情なリサに、唖然とする。
この世界の敵になってしまうと言うことは、いつか、この世界を守る魔導師達と戦わなければいけないときが来ると言うことなのだろう。
マジかよ。
そんなの無理だ。
「だいたい、じゃあ、元の世界に帰れば良いじゃないか。俺はアイリとここへ来たんだし、アイリに帰してもらえば……」
「私、帰り方知らない。突然この世界に連れてこられたの」
「じゃあアイリに、リサと俺を運んでもらうのは……」
「まだ見習いのアイリちゃんが二人を運んだら、きっと体力的に限界が来ると思う。倒れちゃうよ?」
「他の人に頼むのは?」と提案したものも、却下さてしまった。
「誰が嗅覚を持ってるか、怪物を誘き寄せてるのが異世界人ってことを知ってる人が誰なのかも知らないし、そう簡単に頼めない。第一、アイリちゃんが要さんをこの世界に運べたのは、その能力があったからなんじゃないですか?」
ううっ……
「じゃあ、俺一人だけで帰るよ」
「……要さん、酷い。女の子を一人残して勝手に帰るなんて。もしバレても助けてあげない」
あ、すみませんごめんなさい許して。
「お供します」
「うむ」
なにこれ。
なんか、なんかねぇ……
ちょ、俺、使わされてない?




