魔導師生活 【11】
俺が惚れてしまいそうにもなったマロアに続いて、他の四人も自己紹介をしてくれる。
それから残りの放課をみんなと雑談して、教室を出た。
後ろから、また来いよ、と声が聞こえる。
それに手を振り返して校舎を出た俺は、リサのところへ行ってみることにした。
リサの部屋は、自分の部屋の二つ隣。
そういえば、まだ周りの部屋の人たちに挨拶してなかったな。
今は何も持っていないし、挨拶は後回しにしよう。
……するかどうかは知らないけど。挨拶。
「おい、リサ?」
ドアをノックしながら呼び掛けると、中から声が聞こえた。
それから少しして、ドアが開く。
「要さん、こんにちは」
「お、おう」
「何か用なんですか?」
「いや、ちょっと来てみようかなーと、思って?」
相変わらずのジト目が、俺を見上げる。
沈黙。
見つめ合う。
良い感じのムードに……はならない。
「あがっていきますか?」
少ししか開けていなかったドアを更に開けて、部屋の中に手招きするリサ。
良いの? ねぇ良いの? 知らないやつなんて部屋にあげて良いの?
変なことなんてしないけど。
「うん、有り難う」
遠慮なく、あがらせてもらうことにした。
俺の部屋と変わらない広さ。
お風呂やトイレの位置も変わらない。
ただやはり女の子の部屋だと思ったのは、可愛いぬいぐるみが棚の上に置いてあったから。
「ここ、どうぞ」
リサに言われて、低いテーブルの前に正座する。
座布団がふかふかだった。
出されたお茶を一口すすって、正面に座ったリサと向き合う。
「んーと、何を話そうか?」
部屋にあがったはいいけど、話すことは特になかったのだ。
「要さん」
するとリサは、ダルそうな低い声でそう切り出したのだった。




