魔導師生活 【2】
アイリの部屋まで運ぶと、ベッドに腰かけるようにおろす。
背中から滑り落ちると、アイリはそのまま横にコテンと倒れてしまった。
すーっと寝息をたてている。
よほど疲れたのだろう。
すると、扉を開けてお母さんが入ってきた。
「アイリの足首、見てあげてください。捻挫かもしれないと思うんですが……」
お母さんはアイリの足首に手をかざして、目を閉じる。
「骨が……折れてる?」
その言葉に、「え⁉」と身を乗り出した。
「魔力で痛みを無くしているようだけど、それが切れたら痛いね……でも今は寝てるんだし、このままにしておいてあげよう」
俺は一度アイリを見ると、そっと頬を撫でてみた。
だけど手はすぐに離した。
アイリのお母さんが、こっちを見て微笑ましそうに笑ってるからだ。
「下でお茶でも飲む? それともここにいる? もうすぐ夕飯だけど」
「し、下に行きます」
「あらそう」と肩を上げるお母さんの後について、下におりる。
温かいロイヤルミルクティーを作ってくれたので、それをちびちびと飲んで時間を潰していた。
キッチンからは焼き魚のような、そんな匂いがしてくる。
夕飯の仕度だろう。
すると、上の階から「いったーーーい!」という悲鳴が聞こえて、アイリの部屋まで駆けた。
「アイリ、起きたか」
「うぅ……要。魔力切れちゃった」
「骨が折れてるみたいだって」
治すにしても、数週間はかかるそうだ。
魔法で一瞬だと思っていたと言うと、使いすぎも良くないのよと言われてしまった。
魔法を使うんでも、やはり体力がいるらしい。
「ごめんね、しばらく動けそうにないや」
「大丈夫、ゆっくりしてて」
夕飯をお盆に乗せたお母さんが入ってきて、それと入れ違いで部屋を出た。
さて、これからどうするか。
やることは特に無いのだが……
「町とか、行ってみようかな……」




