異世界探索 【12】
さっきよりも高く跳んだ体はドラゴンの背中を目指して下りていく。
その間に、翼や顔の部分も斬りつける。
「っ……」
ドラゴンの背中に着地すると、その勢いで、剣をその背中に突き立てる。
それからすぐに抜くと、深めに刺さったのか、血が吹き出た。
それを少し顔に浴びながら首元まで走ると、首の背についた針のようなものを避けながら頭まで上る。
暴れるドラゴンから振り落とされないようにしていると、アイリが俺を呼ぶ。
「それ、大きさを変えれるの! 降り下ろす時に大きさを想像すれば、そうなるから!」
「大きさ……?」
それなら、なるべく大きめにしたいところだ。
ドラゴンの頭をおもいっきり蹴って飛ぶ。
大きさは、このドラゴンの頭を突き抜けるくらいだろうか。
剣の先を真下にあるドラゴンの頭に向けて、その大きさを想像した。
それと同時に、ずっしりと重い感覚があって、下に引っ張られるように落ちていく。
___グシャッ
「あぁ……」
さっきよりも多い血が顔にかかった。
耳を塞ぎたくなるような甲高い悲鳴のあと、砂ぼこりをたててドラゴンは倒れこむ。
「要……! 良かった! 有り難う!」
座っているアイリに駆け寄ると、真っ先に抱きつかれる。
「いやぁ、こちらこそ有り難う」
『__経験値、アップ』
「え?」
突然の無機質な声にアイリから離れると、手首の辺りに画面のようなものが現れる。
そこには経験値とHPを表すゲージが写っていて、緑色の経験値がウイーンと音を立てて右に増えた。
『魔導師、認定』
画面から聞こえる感情の無い声に、目を見開いた。
「俺が⁉」
「嘘……要! 凄いよ!」
俺が、魔導師に。
手元から青い光が見えて見ると、アイリから貰った剣が消えて、腰にそれが入った鞘が現れた。
服装も、知らないうちに剣士や魔導師のような格好になっている。
「すごいすごいすごい! しかも要、魔導師じゃん!」
そうはしゃぐアイリに、一つ気になったことを聞く。
「俺もアイリも魔導師には変わらないのに、なにが違うんだ?」
そう聞くと、目を輝かせたまま、近くにあった枝を掴んで地面になにかを書き始める。
初めに書いたのは『魔導師』。
その下に書いたのは『魔導士』。
「いい? 要は、こっちの『師』、つまり本物の魔導師」
そう言って上の文字を指す。
その次は下の文字を指して丸で囲った。
「でも私は、こっちの『士』なの。見習いって言う意味」
「へぇ、そうなのか」
「本当に凄いよ……お互い、頑張ろうね!」
まだ頭の整理がついていない。
だけど俺は、どうやら本物の魔導師になったみたいです。




