異世界探索 【11】
「くっ……!」
「ちょっと、要!?」
後ろから聞こえてくるアイリの声。
あぁ、良かった、無事か。
勢いで閉じた目をゆっくりと開ける。
目の前には、よろめいて後ろに下がったドラゴンと。
「要……」
「え、これ、俺が出したのか……?」
六角形が集まった、黄緑色の、透明な板のようなものが現れていた。
そこからは、ビリビリと静電気のような黄色の筋を放っている。
「これを、俺が……」
すげぇよ、これ。
なんか、力がわいてくる気もする。
理由もなく、手のひらを握ったり開いたりしてみる。
今なら、できる気がしてきた。
「アイリ、そこにいろ」
深呼吸をして、しりもちをついて起き上がろうとしているドラゴンを睨む。
「要……私も協力するから! 右手を出して!」
言われた通りに、手のひらを上にして出すと、青い光を放ちながら、そこに大きな剣が現れた。
柄の部分は黒と黄緑色になっていて、分厚い雲でおおわれ、薄暗いなかでも青白く光る刃は、軽い力でもすぐに斬れてしまうんじゃないかと思うくらいに滑らかだった。
「私の力の一部! 壊れるまで使って良いから!」
「すげぇ、サンキュ!」
手のひらの上で浮いているそれを強く握ると、少し息を荒くしているアイリに向かって、ニッと笑って見せた。
剣に目を移すと、保育園や小学校低学年の時にやっていたような戦隊もののアニメを思い出した。
意味のわからない呪文を叫びながら必殺技必殺技なんかを出していたなぁと、久しぶりに思い出す。
二十三才にもなって、こんなことをする日が来るとは思わなかった。
右手で握っていた柄の部分に左手を添えて持つと、俺は地面を勢いよく蹴った。
俺になら、できる気がしたのだ。
アイリを守るために。
地面から離れて高く跳んだ体は、すぐに落ちることはなかった。
体が軽くなったような感じがして、そのままドラゴンの頭の高さまでいく。
剣を振り上げて斬りつけると、シュッという軽い音がして、ドラゴンの頬に傷がつく。
皮が薄かったのか、斬られたそこからは血が出ていた。
体をばたつかせるドラゴンは、バランスを崩してその場に倒れる。
宙をもがくドラゴンの翼を避けると、もう一度地面を蹴った。




