異世界探索 【7】
「ふー、美味しかった!」
全て平らげられたお皿を運ぶためにキッチンとリビングとを往復しながら、お母さんも満足そうに笑っている。
お父さんも嬉しそうに微笑んでいた。
「じゃあ俺、そろそろ帰っても良いのかな?」
お腹もいっぱいになったし、長居しても失礼かなと、アイリに耳打ちする。
そもそも窓から見える空は真っ暗だし、もう七時は回ってるんじゃないかと思う。
「ううん、今日、ここに泊まりなよ」
……え⁉
あっさりと。
ええ、そりゃあもう、めっちゃびっくり。
「異世界に移動したりするの、体力いるんだよ?」
「そ、そうなの?」
ちょっと棒読みになったかな、俺。
いやだって、女の子の家に泊まるんだぜ。
二人きりじゃなくても、泊まるって言うのは、ねえ?
「でも部屋は無いから、私と一緒に寝よ!」
ふぁっっ⁉
「同じ布団ではないから、安心して」
ふぁっっっっっ⁉
うん、うん⁉
……うん。
そんなこんなで、こうなった。
ふかふかなベッドに寝るアイリと、床に敷かれた敷き布団に寝ることになった俺。
いや、ここは男だからな。
「おやすみー!」
ドキドキしたけど、お風呂にも入り終わり、意外にもアイリはさっさと寝てしまうようだ。
少しつまらないが、しょうがない。
「なぁ、アイリ?」
だけど少し気になることがあって、アイリを呼ぶ。
なにー、と返事をしたアイリは眠そうだ。
真っ暗な部屋は静かなせいか、声が少しだけ響く気がした。
「……別にアイリの部屋じゃなくても、他の部屋だって、俺寝れるよ?」
言ってから後悔した。
覗かれたくない物もあるよな、そりゃあ。
そう言うと、アイリが「ムッ」と声を出した気がした。
「わかってない……」
「ん?」
ちょっと聞こえなかったから、聞き返す。
「だから! 私、一応、彼女だから……」
どういうことだろう?
もう一度アイリを呼んでみたが、反応がない。
寝てしまったようだ。
それなら、しょうがないな。
「おやすみ」
俺もそう言って、目を閉じた。




