第3話 佑磨は激怒した
その時。
「きゃぁぁぁぁ!!!」
「うわ!?」
女の子の甲高い悲鳴が響いた。
「びっくりしたぁ…なんだ?」
声がした方へ、足音を殺しながら進んでいく。
枝をかき分けると、木々の向こうにぽっかりと開けた場所が見えた。
俺は大木の陰に身を隠し、そっと様子を窺う。
開けた場所で、1人の少女が得体の知れない小柄な生き物に追い詰められていた。
「あれは…」
“それ”は身長は子供程度しかなかった。しかし、全身は濁った緑色の肌に覆われ、頭は異様に大きい。
鼻は潰れ、黄色く濁った目がギョロリと動く。腰にぼろ布を巻き、木の棍棒を握りしめていた。
「ゴブリン!?すっげぇ!初めて見た!」
そのゴブリンの前では、一人の少女が尻もちをついていた。
光を透かすような淡い青色の髪。
俺と同じくらいか、少し年下に見える。
「や、やだ…来ないで…!」
少女は必死に後ずさる。
だが──。
背中が大木に当たり、それ以上は下がれなかった。
ゴブリンが下卑た笑みを浮かべながら、じりじりと距離を詰めていく。
俺は木陰に隠れたまま、その光景を見つめる。
「うわぁ…エロ同人みたい」
「きゃっ!」
ゴブリンは少女に飛びかかり、地面へ押し倒した。
「あらら」
少女が必死に抵抗するが、体格差こそ小さいものの、力ではゴブリンの方が上らしい。
少女は泣き出す。
「お願い…いや…助けて…!」
ゴブリンの汚れた手が、少女の胸を乱暴に鷲掴みにし、薄手の服を強引に引き裂いた。
「えっろ、勃起しそう…」
ゴブリンは止まらない。
にやりと歪んだ顔で牙を剥き、さらに服を引きちぎる。
白い肌が露わになり、下着が無残に姿を現していく。
「はぁ…」
俺は周りを見渡し、落ちていた太い木の棒を拾い上げる。
「いや…!やめ──」
ゴッ!
「ギャッ!?」
鈍い音とともに、ゴブリンの身体が横へ吹っ飛んだ。
少女が呆然と俺を見る。
「…え?」
俺は木の棒を肩に担ぎ、倒れたゴブリンを見下ろした。
「お前なぁ…」
ゴッ!
「ギャッ!」
もう一発。
「この小説は」
ゴッ!
「官能小説じゃねぇんだよ!」
ゴッ!
「投稿先は『なろう』なんだ!」
ゴッ
「ノクターンでも!」
ゴッ!
「R18部門でも!」
ゴッ!
「ねぇんだよ!!」
ゴッ!!
「…」
静寂。俺は肩で息をしながら、木の棒を握り締める。
「…いや、待てよ」
振り上げた手が止める。
「別に表現を抑えればいいだけだし…多少エロ要素があった方が読者受けする可能性も…」
しばし考える。
「第一読者、大体男だろうし…」
俺はうんうんと頷く。
「よし。続けていいぞ!……って、あれ?」
目線を下すと、ゴブリンの顔は潰れ、あたりには、大量の血と肉片が散布していた。
「あー、やりすぎたなこりゃ」
俺は木の棒を放り捨て、少女へ振り返った。
「大丈夫か?」
「ヒッ」
少女は、俺を怯えたような顔でみる。
「化け物ッ」
「おい、失礼だろ!」
俺は安心させるため、精いっぱい笑いかけた。
「大丈夫! 俺、人間だから!」
「俺は、人間だ!」
「…………ッ!」
バタンッ
少女は、俺の笑顔に感動したのか気絶してしまった。
向野 佑磨 LEVEL.2 【LEVEL UP】
年齢:18歳
EXP:0 / 10
職業:魔法使い
HP:18 / 18(+3)
MP:0 / 13(+3)
攻撃:3(+1)
防御:4(+1)
素早さ:2(+1)
力:3(+1)
知力:4(+2)
運:12
【スキル】
{火}ファイア【MP5】
{爆}ブラスト【MP7】 NEW
{水}ウォーター【MP3】 NEW
ユニークスキル
縺ェ繧薙□縺薙




