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第47話 彩葉渾身の企画

 「はい、そこまで! 後ろから用紙を前に出すように!」


 チャイムがなると同時にテスト監督の先生が声を上げ、テスト用紙を前の席へと渡していった。

 

 「おわっ……たあああ!!」

 

 テスト監督の先生の姿が見えなくなると、テスト最終日ということもあり教室中がざわめき出していく。

 両手を組んで上に伸ばしていくと肘がバキバキと音が鳴っていた。


 「一颯さん、どうでした?」

 

 隣に座る彩葉が笑顔でこちらを見ていた。


 「彩葉先生のおかげでどうにかなりそうかな」


 彩葉には休みの日だけではなくテスト前日まで俺の勉強に付き合ってくれた。

 流石に姉が用意したブラウスとミニスカートを着たのはあの日だけだが……。


 「それはよかったです!」

 「ってか彩葉は平気なのか? ずっと見てもらった俺が言うのも変な話だけど」

 「大丈夫ですよ、躓くところはなくスラスラ解けましたので」


 彩葉は自信に満ちた表情で答えていた。

 

 「それよりもテストが終われば文化祭ですよ!」


 そういや前に担任が言っていた気がする。

 中間テストが終わったら学校中が学園祭ムードになっていくと……。


 「学園祭ね……たしかクラスで店やったりするんだろ?」

 「みたいですよ! 考えるだけで楽しみになってきませんか!」


 興奮気味に彩葉はこちらへと身を乗り出す。


 「わかったから近い!」


 両手でガードすると彩葉はムッとした表情で下がっていく。


 「クラスでやることは学級委員が中心となって決めていくんだっけ?」

 「そうみたいですね、ちなみに一颯さんは思いつくものありますか?」

 

 ゲームやアニメ、ドラマとかであるのはお化け屋敷とかカフェとかは見かけるけど……。

 彼女にそれを伝えると腑に落ちないといった表情を浮かべていた。


 「そういう彩葉はいい案があるのか?」

 「考えているのはありますが、どうやって実現しようか悩んでいるんです」

 「ちなみにどんなの?」

 「それはですね——」


 彩葉の説明を聞こうと思っていると、担任が教室へ入るドアを勢いよく開けて入ってきた。

 テスト日でこの後の授業はないので、担任が入ってきたということはホームルームを始めるということだろう。

 明日から授業が始まるので、今日は早々に帰りたいところだ。


 「結果はともあれ、中間テストお疲れ様、昨日までの点数をつけているが、今の時点で夏休みはほぼ補修確定の人間がでてきそうではあるが……」


 担任の言葉にクラスメイトの何人かは頭を抱え込んでいた。

 その中には天王寺も含まれている。


 「来月の終わりには学園祭が始まるにあたって、これから準備をしていくのだが、基本的には学級委員が中心となって進めていってほしい。 ってことで姫島と藤阪、ちょっと前に来てもらっていいか?」

 

 早く帰りたい気持ちを抑えつつ、呼ばれたので彩葉と一緒に黒板の前に立つ。

 中心に立っているのは委員長である彩葉で俺はその後ろへ。

 必要であれば黒板に書く係にでもなればいいか。


 「明日から時間は取れるから、今日はどんな感じに決めていくかをざっと話してくれ」


 そう言って担任は入り口の前に立つ。


 「これからクラスでやることを決めたいと思いますが、皆さんテストでお疲れだと思いますので明日にご意見を聞きたいと思います!」


 彩葉の話すことにクラスメイト達は「はーい」と口を揃えて返事をしていた。

 まるで小学生だな……。


 学園祭に関してはすぐに終わり、そのままの流れでホームルームも終了となっていった。

 やっとテストから解放されたのもあってか、大半のクラスメイト達が足早に教室から出て行く。

 自分もその流れに乗ろうと思い、席に戻るとすぐにカバンを持ってから彩葉に声をかけた。

 

 「さてと、俺たちも帰るか……テスト終わったから今晩から再開するんでしょ?」

 「もちろんです! 一颯さんに勝つためにオンラインモードでたくさんの相手と戦ってきたんですから!」


 いつもの会話をしながら彩葉と一緒に教室を出た。


 「……なぁ、今晩から再開するのってなんだろうな」

 「そりゃあ……あれだよアハハ」

 「ちくしょう! テストでヤマカン外した俺を慰めてくれる心優しい人はいないのか!」

 「そんなのディスプレイの中なら好きなだけ作れるぞ」


 一颯と彩葉を羨む会話がが教室内が繰り広げられていたが2人の耳に入ることはなかった。

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 「な、何で……一颯さんに全然勝てないんですか!」


 テストが終わった日の夜、夕飯や風呂を済ませてゆっくりしていると以前の様に彩葉から対戦が申し込まれた。

 本当にオンラインモードで対戦していたようで、テスト前よりかは動きが変わっていたが、結果は彩葉の連敗記録は引き続き更新されていった。


 「でも、オンラインでは勝率高いなら彩葉が上手くなっている証拠じゃないか?」

 「私は一颯さんに勝ってこの連敗記録を止めたいんです!」


 スマホのスピーカー越しに彩葉の悲痛の声が聞こえていた。


 「そういえば、一颯さんは学園祭のクラスでやること、考えましたか?」

 「昼間、学校で言ったぐらいしか出てこなかったな……そういう彩葉は?」

 「よくぞ聞いてくれました!」


 対戦で負けて軽く落ち込んでいたが、水を得た魚の如く、大きな声で返してきた直後、彩葉からファイルが送られてきた。


 「今、資料を送りましたので見てください!」

 「し、資料……!?」


 スマホだと見づらかったので、パソコンのLIMEアプリを起動させて送られたファイルを見る。

 

 「な、なにこれ……!?」


 送られたファイルのタイトルには『学園祭 1-B ゲーム喫茶』と書かれていた。

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コミュ障ぼっち、最強剣客として無自覚にバズる〜最弱魔物を真っ二つにしただけなのにバズってしまいました。え、実はS級モンスター? いやいやご冗談を〜
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