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第24話 いつでも2人は一緒!

「一颯さんおはようございます!」


 次の日の朝、教室に入ると、いつものように姫島……彩葉が俺の方へ向けて手を振っていた。

 最近はクラスメイトたちもその流れに慣れていたのか、それを話題にすることはなくなったが……。


 「ちょっとまて、今……姫島さん、藤阪のこと名前で呼んでなかったか?!」

 「やっぱそうだよな、俺の聞き間違いじゃないよな!」

 「どういうことだよ! あの2人ケンカして別れたんじゃねーのかよ!」


 久々に聞こえてくる内容に少し、安心してしまっていた。

 そう思いながらも自分の席につくと鞄を机の上に置く。

 

 「おはよう、ひめじ——」


 いつも通り挨拶をしようとすると、彩葉はムッとした顔をしていた。

 久々にそんなことする人見た気がする……。


 「……おはよう、彩葉」


 わざとらしく咳払いをしてから言い直すと、いつも見せる笑顔へと戻っていった。


 「どういうことだよ、藤阪が姫島さんのこと名前で呼んでたぞ!」

 「し、しかも呼び捨て……だとぉ!?」

 「ついにこれは……昨日の夜はお楽しみ案件だったかもしれない」

 「ここから入れる保険はありますか……!」

 

 そんなに大きな声で言ってないのにクラスメイトたちの耳に入っていた。

 どんだけ地獄耳なんだよ……。


 「何だか今日は教室内が賑やかですね……」

 「暖かくなってきからじゃないか? わからないけど」


 そう言って俺は誰かが開けっぱなしにしていた窓を閉めようとすると、暖かい風が体に触れていったのだった。


 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 

 「もうそろそろ4月も終わろうとしているので、そろそろクラスメイトにどんな人がいるのかわかってきてるだろう」


 朝のホームルームにて、担任が徐に話を始めていた。


 「そこでだ、クラスの代表でもある学級委員長を決めようかと思う」


 担任の言葉にクラスメイトたちがざわめき出していた。


 「とは言っても、学級委員長はクラスの成績優秀者と決まっているんだが……」

 「なんだよー決まってるならそんな勿体ぶらなくてもいいじゃんか!」


 1人のクラスメイトが声を上げると続くように周りもざわめき出していた。


 「話は最後まで聞け、学級委員長もそうだが、大事なのは委員長のサブとなる副委員長だ」

 「でもさ副委員長なんて、所詮いるだけの存在じゃないの?」

 「言い忘れたが、委員長と副委員長になったら1学期の間、食堂が半額になる」

 「な、なんだってー!」


 クラスメイトの1人が大声を上げる。

 

 「委員長は確定しているが、副委員長は委員長からの指定で決まる。 委員長が指定しなければくじ引きで決めようと思っているが……」

 「せんせー! ちなみに委員長は誰なんですか?」

 「この前のテストで優秀者だった姫島だ」


 それに関してはクラスメイト全員が納得していた。


 「とりあえず姫島、前に来てくれるか?」

 「は、はい……!」


 急に名前を呼ばれた彩葉は目を大きく開けながら席を立ち、担任がいる教卓の前へと向かっていった。


 「学級委員になったわけなんだが、最初に意気込みとか話してくれ」

 「い、意気込みですか……」


 彩葉は何を話したらいいのかわからないのか、迷子になった子供のようにキョロキョロと周りを見ていた。

 そのあとはなぜか彼女の視線は俺の方へ。

 どう伝えればいいのかわからないため、首を横に振ることしかできなかった。


 「が、がんばりますので……よろしくお願い……します!」


 暫くの間、彩葉が何も言わなかったのでクラスメイトたちも心配していたが、声を震わせながらも挨拶をすることができていた。


 「姫島さん! 俺がそばにいるから是非、副委員長を指名してくれ!!」

 「おまえ! 抜け駆けとはズルいぞ!」


 クラスメイトたちの拍手の中、彩葉は急いで自分の席へと戻ってきた。


 「よかった、ちゃんと言えたじゃん」

 「とても恥ずかしかったですよ……一颯さん助けてくれなかったですし」

 「俺は彩葉が言えるって信じてたんだよ」

 

 間髪入れずに返すと、彩葉は先ほどみたいに頬を膨らませながら俺のことを睨んでいた。


 「それでだ姫島……副委員長を指名できるんだが、したいやつはいるか? いなけばくじ引きで——」

 「——い、一颯さんでお願いします!」

 「え”!?」

 

 彩葉の返答にざわついていた教室が一瞬にして静寂が訪れた。


 「いぶきって……あぁ、藤阪か。 それじゃ藤阪、前に来て挨拶をしてくれ」

 「これって拒否権はないんですか?」

 「委員長が決めたことに拒否権はないぞ」

 「えー……」


 彩葉を見ると、してやったりと言った感じの自信に満ちた顔でこちらを見ていた。

 

 「わかりましたよ……」


 隣に聞こえるように大きくため息をついてから席をたち、先ほどの彩葉と同じように思いつきで考えた内容で挨拶をした。

 ちなみに彩葉とは違い俺の時は拍手の中にブーイングが混じっていた。


 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 

 「どーりやあああああ!!」


 テレビに映るキャラの動きに合わせて声を上げると、大きな槍を持ったキャラがドラゴンに勢いよく突き刺していった。


 『あっ、ミッションクリアの文字がでてきましたよ!』


 スマホからは彩葉のはしゃぐ声が聞こえていた。


 「さすがに5連戦は疲れたから今日はここまでにしよう」

 『まだ物足りない気がしますけど……』

 「また風邪ひいて倒れても知らないよ」


 2人で遊ぶために昨日買っておいたゲームをいつものように夜、通話をしながらプレイしていたが、そろそろ日付が変わりそうだったのでやめることにした。


 『そう言えば一颯さん』

 「……どうしたの?」

 『言われるがままに学級委員長になりましたけど、何をするのかわかりますか?』

 

 学級委員長と副委員長は決めたが、時間がなく担任から説明はなかった。

 不服ではあるけど、学食が半額になるならいいかと……無理矢理思うことにはしている。


 「学食の値段が半分になる権利を得た……って思っとおけばいいんじゃないかな?」

 

 俺の返答に納得できなかったのか、その後も彩葉はずっと悩んでいた。

 ちなみに役目に関しては後々知ることになったのだった。

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コミュ障ぼっち、最強剣客として無自覚にバズる〜最弱魔物を真っ二つにしただけなのにバズってしまいました。え、実はS級モンスター? いやいやご冗談を〜
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